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AI教材「すらら」、不登校支援で導入自治体が5年で6.5倍に

株式会社すららネットがAI教材「すらら」の導入自治体数を発表

株式会社すららネットは、AI教材「すらら」の利用が大幅に拡大したことを発表した。同社によると、不登校支援における効果が注目されており、導入自治体は5年間で6.5倍、ID数(利用者数)は12倍に増加する見込みになるという。

「すらら」は、「できた」「わかった」「楽しい」の積み重ねにより「勉強が苦手な子供でも勉強が楽しくなる」をコンセプトにした教材。小学生から高校生までの主要5科目のレクチャー・ドリル・テストが1つになっており、通信環境と端末さえあれば自分のペースで学習が可能だ。

同教材の最大の特徴は、「無学年式」のカリキュラムとなっていることだ。例えば、中学の数学では1学期に代数、2学期に関数、3学期に図形を学ぶが、「すらら」では、代数から正負の数、文字と式、一次方程式または因数分解からの二次方程式へと、理解を積み上げる独自のカリキュラムで構成している。

無学年式カリキュラムのイメージ(中学校の数学)

また、知識や技能を学ぶレクチャーでは、先生役のアニメーションキャラクターがこれまでに学んだ内容の確認や例題に関して、子供たちに問いかけや声かけを行いながら双方向型で進める。ドリルについては、20万問以上を用意しており、自動採点されるテストで苦手な箇所をすぐに確認できる。

レクチャー・ドリル・テストによる多角的な学びを提供

さらに、児童生徒の解答傾向に応じて問題を出題する「難易度コントロール機能」を搭載。解答ログから児童生徒のつまずきの原因を特定し、該当箇所に関する学習を促す「つまずき分析機能」のほか、AIを活用し、英語の発音や数学の途中式を判定するサポーター機能などで学習を支援する。

AIを活用したさまざまな機能で学びを支援

公益社団法人子どもの発達科学研究所が2024年3月に公表した「不登校の要因分析に関する調査研究」によると、不登校の要因として「不安・抑うつの訴え」「宿題ができない」「学業の不振」と答えた児童生徒が約半数いることがわかっている。

すららネットが実施した調査では、「学習を通じて成功体験を積み重ねることで、学習以外のことにもチャレンジできるようになった」という回答が不登校児童生徒や保護者から寄せられているという。

すららネット「IMPACT MANEGEMENT REPORT 2022」

同社は、正解数や点数などの結果ではなく、学習に取り組んだ「プロセス=努力量」という行動にフォーカスすることを重視し、誰もが学習での成功体験を経験できる機会を提供するため、多様化する学びに対応し続けると表明している。