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サイボウズ、不登校相談窓口と情報連携をkintoneで実現──保護者に寄り添う支援モデルを提案
2025年8月20日 12:03
サイボウズ株式会社は、同社のソーシャルデザインラボ(そでらぼ)を通じて、不登校の子供を持つ保護者に寄り添う支援モデルを2025年8月19日に発表した。
同モデルは、業務改善プラットフォーム「kintone(キントーン)」を活用。保護者が孤立せずに必要な支援を受けられるように、自治体・学校・フリースクールなどをつなぎ、保護者がオンラインで相談や情報共有を行える仕組みを構築する。
文部科学省によると、小中学生の不登校児童生徒数は11年連続で増加し、34万人を超えている。特に不登校の初期段階では、保護者が「どうすればいいかわからない」「相談先がない」という状況に陥りやすく、精神的・物理的に孤立しやすい。
そでらぼは、2024年の12月に、保護者1,000人を対象にアンケート調査を行い、2025年3月には不登校を経験した児童生徒の保護者にインタビューを実施。不登校や行き渋りの理由のほか、親子間の関係はさまざまで、ひとくくりで対応策を考えるのは困難としつつも、相談先から迅速に適切な支援につながることができれば、不登校に悩む親子が早めに葛藤から抜け出せる可能性があるとしている。
そでらぼでは、調査結果や文部科学省の「COCOLOプラン」に基づき、2つの施策を提案している。1つ目は「オンライン不登校相談窓口」の設置である。この窓口は、自治体や教育委員会がkintone上に構築。保護者が匿名で相談できるようにする。過去の相談例を参照し、学校や専門家との接続を可能とすることで、早期の支援につながる利点がある。
2つ目は、フリースクールや支援団体での活動記録をkintoneで管理し、学校と自動的に共有する仕組みの構築である。保護者は子供の日々の様子を把握しやすくなり、学校も活動記録や出席状況などをリアルタイムで確認できる。従来必要だった手続きや連絡業務の削減につながり、関係者が本来の支援業務に集中しやすい。
なお、そでらぼが実施した調査内容のほか、具体的な提案内容については「政策提案ページ」で確認できる。
そでらぼは、今回の提案を自治体や教育現場で活用できるよう、今秋にkintoneアプリパックとして提供する予定だという。さらに、実証実験の場として、サイボウズが運営するフリースクール「サイボウズの楽校」でも活用し、現場での改善を重ねていく方針だ。