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不登校をデータと現場の知見で支援、東京みらい中学校とIGS
2025年5月19日 08:30
学校法人三幸学園 東京みらい中学校とInstitution for a Global Society株式会社(以下、IGS)は、不登校傾向にある生徒に対し、個別最適化した支援策の共同開発を開始した。両者は、生徒の特性や環境要因を多角的に分析することで、より適切な学習・生活支援を提供していく。
不登校の児童生徒数は増加傾向にあり、その要因も多様化している。従来の不登校支援は個別対応が必要とされることが多いが、学校や教職員への負担も大きい。今回の共同開発は、教育現場の知見に加え、科学的なデータ分析を活用することで、生徒の登校意欲を高める要因を特定し、適切な環境整備と支援策の実施を可能にするという。
共同開発の主な内容は、以下の通り。
生徒の特性分析
人間の性格を5つの主要な因子で捉えるビッグファイブの理論に基づいた「BIG5性格診断」とコンピテンシー評価を活用し、生徒の性格特性と行動傾向を把握。学習意欲、対人関係、ストレス耐性などの要素を多角的に分析する。
環境要因の調査・分析
生徒の登校意欲に影響を与える家庭環境、学校環境、対人関係を調査。教室内の心理的安全性や授業形式が登校率に与える影響を検証する。
支援策の開発と実証実験
分析結果に基づいて不登校生徒の傾向を分類し、それぞれに適したアプローチと具体的支援策を確立。試験的な支援策を学校現場で導入し、効果を検証する。継続的なフィードバックを受けながら、支援策の精度を向上していく。
なお、両社は、同プロジェクトによって期待される効果として、教職員の負担軽減も踏まえた柔軟な支援策の提供と、生徒が自発的に登校しやすくなる学校環境の整備を挙げている。また、保護者の価値観や関与が登校行動に与える影響を考慮し、家庭との連携を強化し、ほかの「学びの多様化学校」や一般校にも展開可能な実用的モデルの開発を目指す。