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三島市教育委員会がkintoneを採用、全公立小中学校21校で校務に活用

サイボウズ株式会社は、静岡県三島市教育委員会が、同社のノーコード・ローコードツール「kintone」を採用したことを発表した。三島市教育委員会のkintoneのユーザーアカウントが、三島市内の全公立小中学校21校の全教員に配布され、各学校の校務や、教育委員会と各学校間の業務に活用される。

■2021年度に実証事業を実施

導入の背景としては、2021年7月から2022年2月の間にサイボウズが経済産業省による採択事業「未来の教室」において実施した、三島市内の公立小中学校および三島市教育委員会での実証事業がある。この実証事業では、三島市内の各公立小中学校が三島市教育委員会に校舎の修繕依頼するときに、それまで表計算フォーマットを使ってたところ、kintoneで完結できるようにシステムを構築した。

これにより、依頼作業時間が1件につき15分程度短縮され、令和4年度の修繕依頼件数975件に対し、依頼作業時間が全体で約244時間削減されたと見られている。また、記入漏れやそれにまつわる問い合わせ業務などが削減された。

さらに、三島市内の公立小中学校21校分の生徒の問題行動報告や、水道検診業務、備品の管理等にもkintoneを活用する学校BPR実証事業を実施し、同様に業務が効率化された。

■年間約1万枚以上のペーパーレス効果

今回の採用は、この実証事業の結果を受けての本格導入となる。三島市教育委員会がkintoneを導入し、教育委員会職員および、三島市の全公立小中学校21校の全教員にアカウントを配布し、校務に活用される。

具体的には、生徒の家族構成や連絡先、通学路などを記入する家庭環境調査票や、心身の健康状態を記入する保健調査票等の調査票、各種問診票(心臓健診問診票、結核健康診断問診票、脊椎及び四肢問診票)、タブレット使用同意書等の受付・管理にkintoneが活用される。

これまで、家庭環境調査票と保健調査票、各種問診票、タブレット使用同意書は、新一年生の保護者が用紙に記入して学校に提出し、学校は受け取った用紙をファイルなどで物理的に保管してた。kintoneの導入により、保護者は外部連携サービスを通じて、PC、タブレットやスマートフォン等での記入・提出が可能になり、学校はkintone上で受付・管理できるようになる。

家庭環境調査票、保健調査票、各種問診票、タブレット使用同意書をkintoneで管理することで紙が不要になる。それにより、三島市内の公立小中学校全体で、年間約1万枚以上のペーパーレス効果と書類の印刷に要する84時間程度の時間削減が想定されている。

家庭環境調査票については、保護者から提出された紙の情報を教員が校務システムへ転記する作業が必要だった。kintoneにデータが集約されることで、この作業が不要になり、三島市内の公立小中学校全体で、約450時間の作業時間が削減されることが想定されている。

そのほか、現場の教職員から、「紙からデータになったことで、検索機能を使って必要な情報を集めやすくなった」「書類の破損や紛失のおそれがなくなった」「ファイリングに気を配ることが不要になり、保健室などの保管場所まで足を運ばず、PC等からアクセスができる」などの声があるという。

三島市教育委員会および三島市内の公立小中学校では、今後もkintoneの用途を広げ、校務のデジタル化を推進していくことを予定している。