【連載】EducAItion Times

先生必見!Gemini Canvasを活用して、授業スライドもクイズもかんたん作成!

EducAItion Timesは、「大人のきぼう こどもの未来」をテーマに、生成AIの活用情報をお届けします。本連載は、生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」のメンバー8名が運営するもので、子供たちの好奇心を刺激する、新たな学びの提供をめざしています。

「授業スライドや、クイズを作るのが大変」
「もっとインタラクティブな教材で生徒の興味を引きたい」
「一度作った教材を、来年も活用できるようにしたい」

日々の授業準備に追われる中、質の高い教材を作りたいという思いと、限られた時間との間でジレンマを抱えている先生も多いのではないでしょうか。特に、視覚的にわかりやすいスライド資料と、生徒の理解度を確認するためのクイズの両方を準備するとなると、かなりの時間が必要です。

こうした悩みを解決する手助けとなるのが、GoogleのAI「Gemini」に搭載された 「Canvas機能」 です。

1つの画面で授業スライドやクイズの作成が完結!

Canvas機能は、 スライドやクイズなどの授業で使う教材を、Geminiと対話をしながら1つの画面上でまとめて作成・編集できるツール です。従来のように、PowerPointでスライドを作ったり、Google Formsでクイズを作ったりというように複数のツールを行き来する必要がありません。

指導案や問題文を入力し、簡単なプロンプトを入力するだけで、HTMLベースのスライドやクイズを自動生成してくれるのが特徴です。たとえば、「修学旅行の事前学習用」の授業スライドも、「万博クイズ」も、指示するだけで教材が完成します。

【例】万博プランを考える授業のスライド(実際のスライドはこちら

Canvas機能でHTMLベースの授業スライドを瞬時に生成

【例】万博クイズ(実際のクイズはこちら

インタラクティブなクイズアプリも作成可能

たった3ステップで授業教材が完成

Canvas機能は、操作も簡単です。以下の3ステップで授業スライドやクイズを作ることができます。

Step1: Geminiにアクセス
Step2: 目的別プロンプトを入力
Step3: 即座に完成・共有

まず、GoogleのAI Gemini にアクセスし、Googleアカウントでログインします。

Geminiにアクセスしてログイン。Geminiのモデルを選択し、Canvas機能をクリックして有効化

続いて、授業スライドやクイズのプロンプトを入力し、プロンプトバーの下にある「Canvas」ボタンをクリックして青色にします。

授業スライド作成時のプロンプト例
クイズアプリを作成時のプロンプト例

どんなプロンプトを入力すればいいかわからない…という方のために、コピペで使える授業スライドとクイズアプリのプロンプト例を紹介します。

<授業スライドのプロンプト例>
作りたいスライドに合わせて、太字部分(学年・教科・単元名・スライドの枚数)を入力してください。Geminiで作った授業スライドが、先生の思い通りでないこともあると思います。そんな時は、Geminiに追加の指示や修正の指示を送りましょう。

Canvas機能を使用して、
[学年:]
[教科:]
[単元名]
の授業スライドを6枚で作成してください。子供たちに分かりやすいHTML形式で出力してください。

<クイズアプリのプロンプト例>
内容の正確性を担保するため、あらかじめ問題と答えを用意しておくことをおすすめしますが、AIにクイズ問題を自動生成させることも可能です。

Canvas機能を使用して、以下の内容でインタラクティブなクイズアプリを作成してください。
間違えた問題は解説が表示されるようにして、HTML形式で出力してください。
[ここにクイズの問題と答えをコピー&ペーストする]

最後は、右側のCanvas画面で動作確認。気に入ったら「共有」をクリックしてリンクでシェアできます。(※「Canvasを共有」は2025年7月現在、有料版のみ可能)

Canvas(クイズやスライド資料)を共有する方法

Canvas機能で実感できる3つの価値

①授業準備時間の大幅短縮
効率的なスライド作成とクイズで、従来の半分以下の時間で質の高い教材が完成。空いた時間を生徒との対話に集中できます。

② 視覚的でインタラクティブな授業へ
カラフルで分かりやすい授業スライドと、即時フィードバックを得ることができるクイズで、普段よりもインタラクティブな授業になることが期待できます。

③ワンクリックで瞬時に共有
作成した教材はリンクひとつで生徒や同僚にすぐ共有可能で、USB持参は不要です。

Canvas機能を使えば、「スライド資料を作るのが大変…」という悩みから解放され、「今回はどんな授業展開にしようか」「生徒がより理解しやすい説明方法は何だろう」と時間の使い方が変わります。実際にCanvas機能を使った先生からは「スライド作成時間が3分の1になった」「浮いた時間で教材研究により多くの時間を割けるようになった」という声も聞かれました。

もうすぐ夏休み。この期間を利用して、GeminiのCanvas機能で2学期のスライド資料をまとめて準備してみるのはいかがでしょうか? 効率的な準備で、ゆとりを持った新学期のスタートを目指していきましょう。

※AIが生成した内容は、必ず事実確認を行ってからご使用ください。特に数値データや専門的な内容については、信頼できる資料での裏付けを取ることをお勧めします。
※生成AIの利用は、各自治体の規定を確認の上、個人情報を含まない範囲でご活用ください。
※Canvas機能は継続的にアップデートされているため、利用時は最新の仕様をご確認ください。
※Gemini無料版では1日の利用回数に制限があり(約5回程度)。多用する場合は、有料版(Gemini Advanced:月額2,900円)へのアップグレードが必要

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IKIGAI lab./黒田 一之

教員。大学院生。Microsoft認定教育者。生成AIを活用した特別支援学校教員の校務支援について研究中。生成AIの知見を得るためハッカソン大会等に出場・入賞経験あり。IKIGAI lab.:140名のメンバーが所属する生成AIコミュニティ。監修:髙橋和馬・田中悠介。編集:新谷信敬。