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子供の不登校で「保護者の5人に1人が離職」、日常的な情報提供に8割が賛成 SOZOWスクール調査
2024年10月22日 07:00
SOZOW株式会社は、同社が運営するオンラインフリースクール「SOZOWスクール小中等部」に通う不登校の小中学生の保護者を対象にしたアンケート調査で、保護者の約5人に1人が離職を余儀なくされていることを発表した。
同調査は2024年8月24日から9月2日にかけて、小学生4年生から中学3年生の不登校の子供を持つ保護者484人を対象に実施。回答があった197人のうち、不登校定義に該当しないケースを除外した187人の回答から結果をまとめている。
調査の結果、子供の不登校により離職した保護者は18.7%となり、全体の5人に1人の割合を占めている。また、保護者の9.1%は「死にたいと感じた」と回答し、11人に1人が追い詰められた状況となったことが明らかになった。
特定非営利活動法人キーデザインや特定非営利活動法人多様な学びプロジェクト事務局の調査によると、不登校の子供を持つ保護者の離職は今回の調査と同水準となっており、不登校が生活困窮につながることも判明した。
明治学院大学准教授の関水徹平氏は、「不登校によって保護者が退職せざるを得ない、保護者が精神科を受診するなど、不登校によって家庭生活も大きな影響を受けるケースは多く、保護者に対するサポートも必要ということが示されている」とコメントしている。
また、学校からの情報提供が「なかった」と回答した保護者が約5割に達し、さらに8割の保護者は「必要な情報提供がなくて困った」と回答した。一方で、学校からの情報提供として、放課後デイサービスやフリースクールの情報のほか、オンライン教育プログラムに取り組むことで出席扱いになることの情報が役立ったという回答が寄せられている。
さらに、子供が不登校かどうかに関わらず、日常的な情報提供に「賛成」という保護者が約8割を占め、学校からの日常的な情報提供を求めていることが浮き彫りとなった。
同設問については、「不登校になる前に知っていたら、子供が学校に行きたくないと言ったときの対応が変わっていたと思う」「当事者になって初めて必要とする情報なので、それ以前には関心がなく、情報提供の意味がない」「校長が変わってから対応が一変した」といった意見が寄せられている。
不登校ジャーナリストの石井しこう氏は「学校はほかの機関を紹介することで『学校から見放された』と保護者が思うことを危惧し、不登校の支援情報を提供することに抵抗感を持つ場合がある」と語っている。さらに「保護者は、不登校になったタイミングよりも日常的な情報提供を求めており、認識のギャップが見られる」と強調した。
同社は、「不登校が問題行動ではないことを学校や社会が正しく認識して受け止めて、民間のフリースクールに関する情報も含め、保護者や子供たちに適切な情報提供が行われる体制を整えることが必要」との見解を示している。