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不登校・ひきこもり対策に、生成AIを活用した悩みチャット相談の実証開始

東京都教育庁とZIAIが実施

“カウンセリングの再発明”を掲げる株式会社ZIAIは、日本で増加するいじめや不登校、児童虐待やひきこもりといった子供に関する悩みを学校内で早期発見・解決する取り組みとして、生成AIを用いた悩みチャット相談システムの導入・運用を、東京都立桐ヶ丘高等学校にて実施することを発表した。

この取り組みは、東京都の「スタートアップによる事業提案制度」採択プロジェクトで、桐ヶ丘高等学校の全生徒を対象に、傾聴AIアルゴリズムを活用した「悩みチャット相談システム」を開放する。実証期間は、2024年2月20日〜3月31日。

悩みを吐露することによるストレス緩和に加え、必要があれば現場の教員やスクールカウンセラーに繋ぐことで、課題を早期発見を目的としている。加えて、それら悩みデータを学校にフィードバックすることで、さらに魅力的な学校づくりや学校全体でフォローできる体制の強化を狙う。

「悩みチャット相談システム」のイメージ

令和4年における日本のいじめ認知件数は、過去最多68万1,948件。不登校は10年連続増加、児童虐待は32年連続で増加している。また厚生労働省の調査によると、ひきこもりは全世代で146万人にのぼり、そのうち3人に1人が、小中学校時代に不登校やひきこもりを経験しているとされている。

子供が抱える悩みを早期発見し、有事を予防することは、教育現場だけにとどまらず、世代を超えた大きな社会的インパクトにつながる。また、学校現場における人手不足・働き方改革も考慮し、教員やスクールカウンセラーの業務量を増やさずに、これを達成できる新たな手法の開発が急務であるとして、同実証が始まった。