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千葉県柏市、AIチャット相談を試験導入――児童生徒の満足度は「93.6%」

株式会社ZIAIが、生成AIを利用した「悩みチャット相談システム」のモデル実証を柏市内の小中学校で実施

 株式会社ZIAI(ジアイ)は、同社の生成AIによる悩み相談システムを千葉県柏市の小中学校で試験導入し、その結果、生徒の満足度は93.6%と発表した。試験導入は2024年10月21日から2025年2月10日まで、市内から小中学校を1校ずつ選び、小学5年生から中学3年生までを対象に行った。

 導入した生成AIは、これまで自治体の福祉相談において100万人以上の市民に公開や運用がされてきたという「悩みチャット相談システム」で、今回のパイロット校において児童生徒が24時間いつでも相談できる体制を整えた。

 「令和2年度不登校児童生徒の実態調査」によると、「誰にも相談しなかった」と回答した割合が小学生で36%、中学生で42%となっており、同システムでは悩みを吐露して傾聴・共感体験を得ることでストレスを緩和でき、必要に応じて現場の教員やスクールカウンセラーにつなぐことで課題の早期発見から初期対応まで実施することに重点を置いた。高校では実証事例があり、AIに相談したことがきっかけで不登校や自殺予防につながる事例もあるという。

 その結果、試験導入期間で児童生徒がAIと悩みを共有した総相談時間は275.4時間、総ターン数は3,758回、1回の相談につき平均9ターンの対話があったという。また、AIチャットに対する満足度は93.6%に達した。すでに柏市ではGIGAスクール端末で外部カウンセラーに相談可能な仕組みを設けているが、AIへの相談はその10倍以上になったという。

 同システムを利用した児童生徒は、「先生や家族に言えないことも、AIになら簡単に言える」「どんなお話でも、お悩みでも、最後までしっかりと聞いてくれて、親しみやすくて、時には解決してくれるから!!」といった声を寄せている。

 なお、ZIAIでは「AIは教員やカウンセラーに取って代わるものではなく、あくまで初期接点として機能し、必要に応じて適切な支援へとつなげる役割を果たす可能性を示した」としており、今後もシステムの継続的改善や導入支援を行っていくという。