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すららネット、経産省「未来の教室」実証事業の成果を発表

株式会社すららネットは、経済産業省の「未来の教室」実証事業について最新の成果を発表した。実証授業の成果については、「未来の教室」のWebサイトで確認できる。今回の実証事業において取り組まれたのは、探究学習と教科学習の連動によってDX人材の育成モデルを創出することである。

三重の県立高校で実施された実証事業では、すららネットが開発した探究学習ICT教材「すらら Satellyzer」を利用した探究的な学びと、5科目をカバーするICT学習教材「すらら」による日々の教科学習の連動を実施した。併せて生徒が自律的に学びに向かうこと、自律的な学びを実現させるために教員間で連携する仕組みについても検証されている。

探究学習ICT教材「すらら Satellyzer」

半年間の実証を通じて、生徒や教員の変化を可視化することが可能になった。なかでも、基礎学力の向上については、個別最適化された学習は、学習量(クリアユニット数)とテスト結果に相関関係がみられた。

得点差異における平均学習時間と平均クリアユニット(A高/N=122)

また「すららSatellyzer」を利用して思考力や表現力を意識した学びに取り組むことで、生徒が実力を自己認識する機会になったとしている。

「すらら Satellyzer」を活用した探究学習の様子

さらに、探究学習を導入する際に教科や学科を横断した教員同士の連携や情報の共有が課題ということが明らかになったという。課題の克服には、相談しながら工夫や改善に取り組むティーム・ティーチング(TT)や公開授業などへの参加で、教員が「知る」機会を増やすことが重要ということがわかった。

同実証により、取り組みの初期段階で指導書のある教材を利用して教員の負荷を減らすことが必須であること。また、日常的に「思考力」や「表現力」を意識した学びに取り組むことが重要であることが成果報告にまとめられている。