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夜間中学が日本語学習に「すらら にほんご」を導入、開始2カ月で学習効果を実感
2025年7月10日 10:30
静岡県磐田市の夜間中学校、静岡県立ふじのくに中学校磐田本校が、株式会社すららネットが提供する日本語学習ICT教材「すらら にほんご」を2025年4月から導入したことが発表された。
同校の、外国にルーツを持ち、日本語指導が必要な約20名の生徒が、「すらら にほんご」で日本語を学習。早くも学習成果が見え始めているという。
「すらら にほんご」は、読み書き・語彙(ごのう)・文法などを、AIが一人ひとりの理解度に応じて出題し、音声読み上げや視覚的なナビゲーションを通じて、ゼロから一人で学習を進められるICT教材。専門の日本語指導教諭がいない状況でも、生徒が自立的に学習できる点が評価された。
ふじのくに中学校磐田本校と三島教室は、静岡県内で初めての県立夜間中学校として2023年4月1日に開校した。静岡県は、日本語指導が必要な外国籍の児童生徒の在籍人数が、全国でも4番目に多い地域。今回の磐田本校も、在校生の約7割は日本語指導が必要な生徒だという。
磐田本校では開校初年度、日本語学習を中心にした指導を行っていたが、生徒の日本語に対する学習意欲を継続させるのが難しい状況だった。2年目は日本語以外の教科指導を多くしたものの、やはり日本語理解の重要性が浮き彫りとなり、3年目となる2025年度から日本語学習中心に戻す方針となった。
文部科学省の調査によると、全国の夜間中学に通う生徒は1,969人で、2022年の前回調査から約1.3倍に増加している。そのうち外国籍の生徒は1,256人と全体の約64%を占めており、前回から約1.2倍の増加となっている。
多くの外国籍生徒が日本語の習得や日本の高校への進学を目指す一方で、日本語がほとんどわからない状態で入学する生徒もおり、教員側も日本語指導のノウハウや経験が乏しいことから指導に苦慮している現状は、全国の夜間中学校で課題となっているという。
・開始2カ月で「以前より授業がわかるようになった」が約90%に
すららネットでは、4月から「すらら にほんご」の活用を始めた生徒17人を対象に、アンケート調査を6月に行った。同調査によると、約88%の生徒が「すらら にほんご」の活用前と比べて「日本語学習が楽しいと感じた」と答えており、学習意欲が向上している様子がうかがえる。
さらに、「すらら にほんご」活用前と比べて授業がわかるようになったと答えた生徒は約90%、「すらら にほんご」は日本語学習の手助けになったと感じている生徒は約94%となった。