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通信制の「R高」を群馬県桐生市に開校、角川ドワンゴ学園

通学キャンパス拡大や定期テスト導入、久石 譲氏の校歌作曲も発表

通信制のネット高校「R高等学校」を開校

学校法人角川ドワンゴ学園は、通信制のネット高校「R高等学校」(R高)を開校することを6月26日に発表した。N高等学校(N校)、S高等学校(S校)に続く、N高グループの3校目となる。

R高等学校の本校校舎は、群馬県桐生市の旧群馬県立桐生女子高等学校の廃校跡地を活用する。現在、2025年4月の開校に向けて準備中。出願受付は2024年9月20日より開始予定となる(N高・S高と同じスケジュール)。なお、開校を記念して、2025年4月の入学生は入学金1万円を免除する。

R高等学校のロゴ

合わせて、N高グループの通学コースのキャンパスを増やし、2025年に100箇所に拡大することや、通信制高校では通常実施しない「定期テスト」を2025年度より導入すること、作曲家の久石 譲氏がN高グループの完全オリジナル校歌を作曲することも発表された。

N・S高における入学者増加に対応

同日開催された記者発表会では、R高の開校理由として、N高とS高を合わせた生徒数が28,942名(2024年5月1日時点)となり、N高開校時から18倍となったことを挙げている。つまり、入学者の増加に応えるためにR高を開校することとしたという。

R高の「R」は「REAL」「RESPECT」「RELATION」「REVOLUTION」を表し、「生徒一人ひとりが自分の『R』を創れるように」という想いが込められている。

学校法人角川ドワンゴ学園理事長の山中 伸氏は、全国で高校生の数は減っているが、通信制高校の生徒数が増えており、近年ではN高の伸び率を超えていることから、通信制高校の需要が強いことを語った。

R高の開校理由
N高とS高の生徒数の伸び
「R」の由来
学校法人角川ドワンゴ学園理事長の山中 伸氏

R高の教育内容や部活動などはN高とS高と共通。R高独自の活動として、生徒は3年間に1回は桐生市でのスクーリングに参加するという。具体的には、富岡製糸場の見学やこんにゃくの調理実習など、伝統産業などの体験プログラムを取り組む。

なお、スクーリングはN高やS高でも同様に実施しており、生徒が1回5日の予定を、交代でほぼ毎週実施しているという。

R高で実施予定の、群馬県ならではのスクーリング

ちなみに、N高グループの2024年度卒業式は、群馬県で実施する。会場は、桐生市の隣で県庁所在地である前橋市のベイシア文化ホールとなる。

2024年度の卒業式を群馬県前橋市で実施

県知事と市長が、群馬県と桐生市の魅力をアピール

記者発表会には、群馬県知事の山本一太氏と桐生市長の荒木恵司氏が出席し、群馬県と桐生市の魅力をアピールした。

左から、学校法人角川ドワンゴ学園理事長の山中 伸氏、桐生市長の荒木恵司氏、群馬県知事の山本一太氏

山本氏は、群馬県が東京への交通の便が良く、都会の良さと自然の良さを併せ持つこと、そしてグローバルカンパニーが集まっていること、さらにデジタルクリエイティブ産業の推進のほか、デジタルクリエイティブ人材の育成に取り組んでいることを紹介した。

群馬県におけるデジタルクリエイティブ産業の推進
群馬県のデジタルクリエイティブ人材の育成

桐生市については、荒木氏が織物の町(織都)であることやレトロモダンな町であることに触れ、観光の見所などを紹介。さらに、サイエンスドクター事業や子供たちだけでつくる仮想の町「ミニきりゅう」など、教育に力を入れていることをアピールした。

桐生市の象徴や刺しゅう技術などを紹介
歴史的な町並みと移住者による新規起業、群馬大学におけるイベントを紹介
桐生市における教育への取り組み

通学コースのキャンパスを全国100箇所に拡大

R高の発表に合わせて、N高グループについての新発表も行った。

まず、通学コースのキャンパスを、2025年4月に全国100箇所に拡大する。

N高グループでは、2017年から通学コースを新設して全国にキャンパスを開設。2024年6月時点では、全国31都道府県・69箇所に開設している。

2025年には合計100箇所に拡大する予定だ。第1弾として、北海道函館キャンパス(北海道)、富山キャンパス(富山県)、長野松本キャンパス(長野県)、静岡沼津キャンパス(静岡県)の4箇所に開設。追加キャンパスは今後随時発表していく。

通学コースのキャンパスを100箇所に拡大
第1弾の開設予定キャンパス

「定期テスト」の導入と必修化、ただし成績には無関係

通信制高校では定期テストを実施しないことが多いが、N高グループでは、2025年度より「定期テスト」の実施と必修化について発表した。

ただし、定期テスト向けの試験勉強は不要で、成績に無関係であることも付け加えられており、適切な学習や進路の指導につなげるためのものであるという。年2回程度、主要教科での実施が想定されている。いわば定期テストというよりは、学力アセスメントに近いが、多くの生徒に参加してもらうためにあえて「定期テスト」と名付けたという。

定期テストを必修化
N高グループの「定期テスト」は成績とは無関係

久石 譲氏が校歌を作曲

映画音楽などを手がける作曲家の久石 譲氏が、N高グループの完全オリジナル校歌を作曲することも発表された。校歌は2025年4月に入学式で披露される予定となっている。

オリジナル校歌を作曲する久石 譲氏