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通信制高校アンケート調査、10代の半数以上が身近に感じる選択肢に

株式会社クリスクが運営する情報サイト「通信制高校ナビ」が「通信制高校へのイメージ調査」の最新版を公開

株式会社クリスクが運営する情報サイト「通信制高校ナビ」は、2021年から実施している「通信制高校へのイメージ調査」の最新版を公開した。調査結果によると、通信制高校は10代にとって身近な選択肢となっていることが明らかになった。

「通信制高校のイメージ調査」概要
調査対象:全国の15歳以上、69歳以下の300名(10代~60代まで各年代50名ずつ)
調査期間:2024年12月23日
調査方法:インターネットでのアンケート調査

文部科学省の学校基本調査(令和6年度)によると、2024年度の通信制高校の学校数は独立校で135校と、前年から4校増加。在籍生徒数は約29万人となり、高校生全体の9.1%が通信制高校を選択している。同社は、通信制高校に関する世間のイメージがどのように変化しているのかを明らかにするため、全国の15歳以上69歳以下の300名(各年代50名ずつ)を対象に調査を実施した。

「あなた自身やあなたの周りに通信制高校に通っている・通っていた人はいますか?」という質問では、「いる」と答えた人が20.67%となり、前年の21%とほぼ同じ割合となっている。

「あなた自身やあなたの周りに通信制高校に通っている・通っていた人はいますか?」の回答(出典:通信制高校ナビ)

一方、10代の52%は「身近に通信制高校に通う人がいる」と回答。前年から10ポイント増加し、初めて半数を超える結果となった。次いで20代が26%と、若年層ほど通信制高校を身近に感じている傾向が見られた。

通信制高校に対するイメージについては、全体の49.67%が「とても良い」または「良い」と評価。前年の48.67%とほぼ変わらない結果となっている。年代別で見ると、30代が60%で、10代と50代以上が50%を上回っている。

「通信制高校のイメージについて教えてください」の回答(出典:通信制高校ナビ)

また、「通信制高校にいる生徒のイメージ」を聞いたところ、「仕事やアルバイトをしている」との回答が63.67%に達し、4年連続でトップ回答となった。次いで「不登校経験がある人」(54.67%)、「高校中退した人」(52.33%)と続く。

「通信制高校にはどんな生徒がいるイメージですか」の回答(出典:通信制高校ナビ)

同社によると、「やりたいことに時間を使いたい人」(30%)という回答が2021年から約10%増えていることから、高校生が学業と並行してさまざまな活動を行うことが社会的に認められてきているのではないかと分析している。

さらに、「通信制高校のイメージ」についてあてはまる最も多い回答は、前年までと同様に「働きながら学べそう」(43%)という結果となった。いずれも、年代が高くなるほど回答率が高くなっており、「仕事やアルバイトをしている生徒が多い」というイメージを持つ人が多いためと考えられる。

「あなたが思う通信制高校のイメージとして当てはまるものをすべて選んでください」の回答(出典:通信制高校ナビ)

次に多かったのが「自分のペースで学べそう」(38.67%)で、10代では54%が選択している。3番目に多かった「入学するのが簡単そう」(24%)でも、10代が38%と最も高い回答を示した。

通信制高校の在籍者数は年々増加しており、30人から40人の学級であれば、3人が通信制高校に進学する割合となっている。2025年に新設予定の通信制高校も複数あり、今後も学校数・生徒数ともに増加すると予測される。

通信制高校の生徒や学校に関するイメージについて、「やりたいことに時間を使える」「自分のペースで学べそう」など、個々人のニーズに合わせた選択ができるという印象が持たれている。ただし、「自分で勉強するのが大変そう」と回答した人も5人に1人おり、カリキュラムや学習面でのサポート内容を具体的に情報提供する必要性があると同社はまとめている。