ニュース

リクルート、通信制課程の実態を分析――高校生全体で約10人に1人が通信制課程を選択

リクルート進学総研が、2024年に公表された「令和6年度学校基本調査(確定値)」から通信制課程に通う高校生についての分析結果を公表

株式会社リクルートが運営する「リクルート進学総研」は、通信制課程に関する最新の分析結果を2025年3月25日に発表した。

同レポートは、2024年に公表された「令和6年度学校基本調査(確定値)」に基づいたもので、高等学校の通信制課程の現状と卒業生の進路に関する変化をまとめた内容となっている。

分析によると、通信制課程に通う高校生は過去10年間で大きく増加しており、2024年度には29万人を超えた。これは2015年度と比べて約60.8%の増加にあたる。一方、全日制・定時制の生徒数は減少傾向にあり、通信制課程に通う生徒は高校生全体のおよそ10人に1人となっている。また、通信制課程を設置する高校も10年間で72校増加し、303校に達した。

卒業後の進路にも変化が見られる。2015年度に通信制課程から大学へ進学した生徒は6,974人だったが、2024年度には17,917人と約2.6倍に増加。大学進学率も13.5%から21.2%へと上昇した。従来は専門学校や就職が多かったが、現在では大学進学者が専門学校進学者に迫る勢いで増加している。

さらに、通信制大学への進学者も増加している。2015年度には通信制課程の高校卒業生のうち0.6%(332人)が通信制大学へ進学していたが、2024年度には3.0%(2,567人)まで増加した。

リクルート進学総研は、ZEN大学や東京経営大学など、新たな通信制大学の開校も進み、高校・大学の双方で通信制の選択肢が広がっていることから、今後の動向が注目されるとしている。