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高校生の半数が「進路を考えるのはしんどい」と回答、プレッシャーの正体は「期待」の言葉
2025年6月10日 15:00
株式会社ライフマップは、全国の高校生152人を対象に実施した「進路に関する調査結果」を2025年6月10日に発表した。
調査内容:進路選択に関する実態について
調査機関:自社調査
調査対象:当社を利用している全国の高校生
有効回答:152人
調査期間:2025年4月1日~5月30日
調査方法:高校訪問でのアンケート調査
※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合がある
調査によると、進路や将来について「とてもしんどい」「ややしんどい」と回答した高校生は合計で54.6%にのぼった。主な理由として「親や先生に『将来どうするの?』と聞かれたとき」(26.5%)や「テスト勉強中」(24.1%)など、日常で進路に直面する場面が多く挙げられた。一方で「まったくしんどくない」「あまりしんどくない」と答えた生徒も合計で45.4%おり、進路への感じ方は一様ではないことがわかる。
進路に関して最もプレッシャーを感じる言葉では、「期待しているよ」が34.9%で1位となった。次いで「将来何になりたいの?」(32.2%)、「○○さんはもう進路決めているってよ」(30.9%)といった内容が続く。こうした励ましや関心のつもりの言葉が、高校生に重荷になっている現状が浮かび上がった。
進路選択で最も頼りにしている相手を聞いたところ、「家族」(42.8%)が最多で、「友だち」(14.5%)や「学校の先生」(9.2%)が続いた。ただし、「推しや好きなキャラクター」(8.6%)や「SNS・ネットの情報」(7.9%)を頼る声もあり、従来の枠にとらわれない情報源が存在していることも明らかになった。また、7.2%の高校生は「頼りにしている人はいない」と答え、孤独な進路選択の実態も見て取れる。
なお、進路に関するモヤモヤの原因としては、「周囲と比較してしまう」(34.9%)や「情報が多すぎて疲れてしまう」(25.7%)が上位を占めた。同社は、SNSによって他人の進路が可視化されやすい今、高校生が自分に合った正解を見つけることが難しくなっていると推察している。
高校生からは、「数日で気持ちが変わってしまう」「選択肢が増えてかえって迷う」「やりたいことが見つからない」という悩みの声が多く聞かれた。加えて、「自分の得意なことを一緒に探してほしい」「もっといろんなことを学びたい」など、自分を深掘りできる時間や、さまざまな可能性に触れられる余裕を求めていることも明らかとなった。
同社は「進路選択は単なる情報収集ではなく、『自分は何者なのか』を見つけようとする過程」として、「正解を急かすのではなく、丁寧に対話を重ね、一人ひとりの悩みに寄り添う支援が求められている」とまとめている。