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小中高のAI活用実態調査、教員の約9割が効果を実感

eラーニング戦略研究所が、小中高の教員に実施した「学校における生成AI活用の実態」に関する調査結果を公開(出典:株式会社デジタル・ナレッジ、以下同じく)

株式会社デジタル・ナレッジが運営するeラーニング戦略研究所は、小中高の教員を対象に、学校における生成AI活用の実態に関する調査を実施し、その結果をまとめた報告書を公開した。

調査は、小学校・中学校・高校における生成AI活用の実態を調べる目的で実施したもの。教員の利用率や学校でのルール整備などをもとに、「AI活用成熟度」を4段階に分類。成熟度ごとの課題や支援の必要性も調べている。

調査結果では、教員による生成AIの利用が、校務や授業準備を中心に広がっていることが示された。校務での利用率は84.2%、授業準備における利用率は74.4%で「教材作成」での利用が最多となっている。

校務におけるAI利用用途の内訳は、「会議・報告資料の作成」が47.4%、「行事・イベントの案出し・企画作成」が44.4%、「保護者向け連絡文書の作成」と「学級通信、お知らせなどの作成」はそれぞれ34.6%だった。

校務におけるAI利用用途の最多は、「会議・報告資料の作成」

生成AIの効果の内容では、「校務の効率化・時間短縮」が54.9%、「授業準備の効率化・時間短縮」が51.9%だった。また、「新しい授業アイデアが得られるようになった」が29.3%、「教育の質向上」は23.3%だった。一方、「特に変化は感じていないと」の回答も11.3%あった。

生成AI活用の効果は、「校務の効率化・時間短縮」「授業準備の効率化・時間短縮」「新しい授業アイデアが得られるようになった」が上位に

生徒による生成AI利用については、「授業で利用させたことがある」が18.8%、「自主利用を把握している」が25.6%、「自主利用の可能性はあるが把握していない」が33.8%で、校種によって利用実態の把握状況に差がみられる。

利用内容は「調べ学習」「発表資料作成」「探究学習」が中心だった。教員は教育効果への期待を持つ一方で、思考力の低下や依存への懸念も抱いている。自由記述では、「AI利用かどうか判別が難しい」「情報の正確性や精度」に関する不安が目立ち、評価や指導方法への課題認識の高さが読み取れる結果となった。

学校での運用面には課題もある。利用ルールやガイドラインの整備、教員研修の実施については、学校間で対応に差があった。悩みとしては、「ルールやガイドラインが未整備」であることや、指導方法がわからないことが多く挙がっている。

AI活用成熟度については、「教員未活用段階」「限定導入段階」「ルール整備段階」「組織運用段階」の段階を設定。調査の「校務利用」「授業準備利用」「ルール整備」「推奨・契約ツール」「教員研修」の各項目で成熟度を定義し、AIに関する利用・運用状況をもとに分類を行った。

AI活用成熟度別の有用性では、教員未活用段階(Lv1)は「有用だと思う」が71.4%にとどまった一方、組織運用段階(Lv4)では91.1%が「有用だと思う」と回答した。同研究所は、AI活用の成熟度向上は単なる利用拡大ではなく、効果実感や有用性評価の向上につながっており、学校単位でのルール整備や研修実施が、AI活用定着の重要な要素と分析している。

AIの有用性について「教員未活用段階(Lv1)」は71.4%、「組織運用段階(Lv4)」では91.1%が「有用だと思う」と回答

また、活用初期段階では「学力低下や思考力への影響」への懸念が高い一方、組織運用段階(Lv4)では「誤情報の生成」や「個人情報の取り扱い」など、運用・管理面の課題への意識が高まる傾向が読み取れるという。

■アンケート調査概要
調査目的:小中高における生成AI活用の実態を調査する。単なる利用率調査にとどまらず、複数設問から「AI活用の成熟度」を定義し、成熟度別の課題や支援要件を明らかにする
調査方法:アンケート専門サイトを用いたWebアンケート調査
調査期間:2026年4月20日~4月23日
調査対象:小学校、中学校、高校の校長、副校長/教頭、主幹教諭、主任教員、ICT担当教員、一般教員