ニュース

高校無償化を調査、保護者の半数以上が「公立・私立ともに無償化すべき」と回答

ドリームエリア株式会社が、高校の授業料無償化に関するアンケートの調査結果を2025年2月26日に公開

ドリームエリア株式会社は、高校の授業料無償化に関するアンケート調査を実施し、調査結果を2025年2月26日に公開した。

調査対象は、同社が提供する地域情報サービス「マチコミ」を利用する保護者で、有効回答数は7,789名だった。

【調査概要】
・調査テーマ 高校の授業料無償化、賛成?反対? 家計負担と教育の未来を考える
・調査期間 2025年2月21日~2025年2月25日
・調査対象 「マチコミ」利用者(未就学児から大学生までの子供がいる保護者)
・有効回答者数 7,789名
・調査機関 ドリームエリア株式会社
・調査方法 インターネット調査

高校の授業料無償化についての質問では、「公立・私立高校ともに無償化すべき」との意見が最も多く、53%を占めた。次に「公立高校のみ無償化すべき」が28%となり、「私立高校への支援については慎重に考えるべき」いう声も見られた。

高校の授業料無償化について

所得制限について聞いたところ、高校の授業料無償化に賛成する回答者のうち、「所得制限なし」を求める声が48%と最も多かった。一方で、「公立・私立高校ともに所得制限を設けるべき」(25%)、「私立高校のみ所得制限を設けるべき」(22%)という意見もあり、財政負担の公平性を求める声が一定数あった。

高校の授業料無償化と対象者の所得制限について

さらに、公立高校の無償化に反対する理由については、「本当に必要な人への支援が薄まるため」(38%)が最も多く、続いて「無償化よりも授業の質向上に予算を使ってほしい」(36%)、「財源の確保が難しいため」(29%)という意見も寄せられている。

公立高校無償化に反対の理由

私立高校の無償化に反対する理由では、「私立高校の学費は各家庭の選択の結果であり、公費負担は不要と考える」(59%)が最多となった。そのほか、「財源の確保が難しい」(23%)、「高所得世帯にも適用されるため、不公平感がある」(27%)といった財政面や公平性への懸念も見られた。また、「私立優遇による教育格差の拡大」(36%)や「公立高校の定員割れの可能性」(32%)を指摘する声もあり、経済的負担の軽減だけではなく、無償化の影響を慎重に考える人が多いことがわかった。

私立高校無償化に反対の理由

公立高校に在籍、もしくは卒業した人に「私立高校が無償化されていたら進学を希望した私立高校があったか」を聞いたところ、「あった」と答えた人の割合が23%となった。同社は、無償化が進めば多くの生徒が自分に最適な教育環境を選べる可能性がありつつ、私立高校への進学が増えれば、公立高校の生徒数が減少する可能性も考えられるとしている。

当時、私立高校が無償化されていたら、進学を希望した私立高校はあったか

一方、私立高校に在籍または卒業した人に私立高校を選んだ理由を聞いた結果では、「教育カリキュラムが充実しているため」(32%)が最多で、「施設や設備が充実している」(30%)、「部活動・課外活動が充実している」(21%)などがランクインした。この結果から、学業だけでなく、総合的な学校環境を重視する家庭が多いことがうかがえる。

私立高校を選んだ理由

また、減税・補助政策についての調査では、トップが「大学費用支援」(59%)で、「ガソリン税の減税」(53%)、「高校無償化」(49%)が次にランクインした。この結果は、大学進学率の上昇に伴い、高校以上に経済的負担の大きい大学進学に対する不安が強いことを示していると考えられる。

特に推進してほしい減税・補助政策について

家庭が抱える将来的な不安については、「生活費全般(物価上昇の影響)」(71%)が最多で、次いで「大学進学・留学費用」(64%)、「教育費(塾・習い事・学費など)」(62%)が挙げられた。

子育てにおいて、将来的に不安を感じる費用

特に、「子育て環境の経済的負担が軽減されることで、子供の人数を増やすことを検討する」と答えた人が44%にのぼり、経済的負担の軽減が出生率向上にも寄与する可能性が示唆される結果となっている。

子育て支援の充実と家族構成変化の関係について

最後に、子育てに関して特に困っていることを聞いたところ、「育児にかかる費用の負担が大きい」が49%となり、次に「育児と仕事の両立が難しい」(26%)、「親の休息時間が確保できない」(24%)という項目が続いた。

子育てに関して特に困っていること

なお、自由回答欄では1,639件のコメントが寄せられ、授業料無償化について以下のような意見が多く見られたという。

  • 全ての人を平等に対象としてほしい
  • 減税を優先すべき
  • 大学の授業料も無償化してほしい
  • 無償化するならば、教育の質向上も同時に進めるべき
  • 財源確保が難しいのではないか

同社は、高校無償化に対する支持が高い一方で、「公立高校のみ無償化すべき」「補助金の増額で対応すべき」という意見も一定数あることから、無償化の範囲や財源確保については慎重な議論が求められるとしている。また、「子育て環境の経済的負担が軽減されることで、子供の人数を増やすことを検討する」と答えた人が44%にのぼったことから、適切な教育支援や生活費の負担軽減が実現すれば、子供を持つことを前向きに考える家庭が増える可能性があると総括している。