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AIの教育活用、保護者の7割が不安。何に対する不安を感じているのか?

未就学児から大学生までの子供を持つ保護者を対象に調査

「ChatGPT」に関する保護者アンケートの調査結果

学校と保護者間の連絡をデジタル化する連絡網サービス「マチコミ」を提供するドリームエリア株式会社は、「ChatGPT」をはじめとするAIが子供の学習に与える影響に関する保護者アンケートを実施、調査結果を発表した。7割近くの保護者が、AI技術の発展による子供の将来を不安視する一方で、「使い方を指導した上で活用すべき」という声が約半数に上がったという。

調査対象は「マチコミ」を利用する、未就学児から大学生までの子供を持つ保護者。2023年6月15日から6月20日の期間に、45,177名がインターネット調査で回答した。

「ChatGPTを使ったことがありますか?」という質問では、保護者と子供、それぞれの実情を調査。その結果、「使ったことがある」と回答した保護者は15%程度。利用したことがない保護者の今後の見込みについては「今後使ってみたい(43.6%)」「今後使う予定もない(41.3%)」と回答が割れる結果に。一方、子供に関しては、7割以上が利用したことがないという実情がわかった。

将来を不安視しつつも、AIの活用に肯定的な意見が多い結果に

7割近い保護者が、「AI技術の発展により、子供の将来に不安を感じる」と回答した

AI技術の発展により、将来無くなる仕事が増えるといわれる中、「子供の将来に不安を感じるか?」という質問では、7割近くの保護者が不安を持っていることがわかった。自由回答のコメントでは、「すぐにAIを頼るようになると、依存したり、思考力が低下することに不安がある」という声がある一方、「あまり不安ではない。積極的に活用してAIを自分の味方として付けるべき」という意見も見られた。

また、「宿題やレポート作成にAIを活用することをどう思いますか?」という質問に対しては、半数近くが「使い方を指導した上で活用すべき」と回答。「活用場面などの制限を設けるべき」と答える保護者も全体の33.5%にのぼり、肯定的な意見が多い結果となった。

7割近い保護者が、「AI技術の発展により、子供の将来に不安を感じる」と回答した

AIの活用について不安に思うことは?

「AIの教育への応用について、不安に思うことはなんですか?」という質問では、「問題解決能力の低下(65.8%)」、「AIへの依存(61.3%)」、「プライバシーやセキュリティ(60.1%)」に対して不安を感じる保護者が多いことがわかった。「簡単に解決できるAIに頼りすぎて、思考力や問題解決能力、困難に立ち向かう根気や諦めない努力など、大事なものが失われていくのではないか」という懸念や、コミュニケーション能力の低下を危惧する声が目立つ結果になった。

AIの教育への応用について、保護者が感じる不安

そうした中、「AIに関連し、学校の授業で強化して欲しいことがありますか?」という質問では、「インターネット利用時の注意点(66.1%)」、「コミュニケーション能力(60.6%)」という結果に。AIによって教職員と児童生徒のコミュニケーション機会が減少し、人と人との繋がりが薄れることに対する危機感や懸念を抱く保護者が多いことがわかった。

Aiに関連し、学校の授業で強化して欲しいこと

今回の調査では、子供たちにインターネット利用時の注意点を指導したうえで、コミュニケーション能力を身につけさたいという保護者のニーズが顕在化した。ドリームエリア 代表取締役の寺下武秀氏は総評として、「ITやAIの進化はこれからも続き、社会に出たときにはその活用を求められます。保護者自身がメリット・デメリットを理解し、道徳教育と同様に向き合わなければならない時代になったのかもしれません」と述べている。