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教員の9割が探究学習に課題と回答、カタリバ調査
2024年6月7日 06:30
認定特定非営利活動法人カタリバは、探究学習をサポートする高校教員340名に対してアンケートを実施、その結果、探究学習について課題を感じていると回答した教員は9割に達し、授業案や探究学習への理解が広がらないことを課題と感じていることがわかった。
同アンケートは、2023年12月から2024年1月にかけて各学校で探究学習をサポートしている高校教員340名に実施したもの。
今回のアンケートでは「探究学習カリキュラムの企画や開発、推進を統括する組織が校内にある」の回答が82%となり、組織的に探究学習を推進する取り組みが増えていることが明らかになった。
しかしながら、探究学習の推進に関する課題について「まあ感じている」が51.2%、「とても感じている」が40.8%と、課題を感じている教員の合計は9割を超え「あまり感じていない」(7.4%)と「全く感じていない」(0.6%)は1割未満となった。
具体的な課題に関する質問では、複数回答で「授業案やカリキュラムの設計」が49.4%、次いで「調べ学習で終わってしまう」が49.1%、「校内で探究学習への理解が広まらない」が47.6%、「外部との連携・協働」「評価基準の置き方」「進路との接続」「授業の準備時間が思うように取れない」がいずれも3~4割を占め、多くの課題があることがうかがえる。
教員の自由回答では「探究学習に対する指導の考え方が異なったり、熱量に差があったりする」「少数の意識の高い教員がやっているだけの状態」という声も聞かれた。
一方、外部人材の活用や探究学習の取り組みを進める学校では、教員の課題感が低い傾向が見られた。教員が課題を感じているという総数はほぼ同じだが、外部人材が配置されていない学校では、探究学習への課題感が50.7%のところ、外部人材が配置されている学校では33.7%という結果となっている。
カタリバでは、高校生が身の回りの課題や関心事をテーマとして、地域社会と連携しながら学びを深める探究学習「全国高校生マイプロジェクト」を2013年から推進。これまで約10万人の生徒たちに学びを提供しているという。さらに「学校パートナー」という制度を設け、探究学習の教材や教員向けの事例勉強会などを提供している。
アンケートの実施結果を受け、カタリバは探究学習のカリキュラム開発研修「探究スタートアップラボ」の参加校募集を開始する。年3回の対面研修を中心とした教員向けの伴走プログラムで、先進校の取り組みから知見やノウハウを効果的に学び、探究学習の改善と実践を目指す。
探究スタートアップラボについては、6月7日(金)と6月14日(金)にオンライン説明会を開催する。参加費は無料だが、説明会参加・資料請求フォームから申し込みが必要となる。