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夏休みの体験「させたいができない」──経済的困難を抱える家庭の9割が回答、NPOカタリバが実態調査
2025年8月4日 17:00
認定特定非営利活動法人カタリバは、同団体の支援を受ける家庭の保護者252名を対象に「夏休みの実態」に関する調査を実施し、その結果を8月1日に発表した。調査では、夏休みに子供に自然体験や旅行をさせたいと考える保護者が多い一方で、経済的な理由で実現できない現状が明らかになった。
調査期間:2025年6月10日〜2025年6月23日
調査方法:質問紙調査(オンライン)
調査対象:認定NPO法人カタリバの支援プログラム(アダチベース、room-K、キッカケプログラム)を利用する保護者
有効回答数:252名
調査によると、保護者の約8割が「夏休みは子供にとって必要」と回答した。その理由として「普段忙しくてできない好きなこともしてもらいたい」「夏休みをとって気持ちをリフレッシュさせ、後期の登校を楽しく感じ、友達と遊ぶことが大切に感じるから」「自分で考えて宿題の計画を立てたり、長期的・特別な計画の経験は、夏休みがあってこそ養われる」といった声が寄せられている。
夏休みの価値を聞いたところ、「学校ではできない体験・経験の機会」(67.9%)、「思い出づくりができる機会」(67.9%)、「心身のリフレッシュの機会」(64.3%)といった回答が上位となった。
一方で、「夏休み中に子供に経験させたいこと」として多くの保護者が挙げた「旅行」「合宿・自然体験などの宿泊型プログラム」について、それぞれ8割以上の保護者が「経験させたいが、実現できない」と回答している。
自由記述では、「自分一人の収入では、必要最低限の生活しかできず、余暇に回す余裕がない」「経験や体験は重視しているが、一人親だと、時間も金銭的にも厳しい」「夏季の宿泊プログラムも高いため、なかなか経済的に参加が難しい」など、困難な実情が語られている。
カタリバは、能登半島地震以降、継続して能登地域での支援活動を続けており、8月21日(木)から24日(日)まで「サマースクール in 能登」を実施。対象は、カタリバの支援プログラム(アダチベース、room-K、キッカケプログラム)を利用する18世帯家庭で、能登の祭りや自然体験、地域の人から被災当時の話を直接聞くなどのプログラムを実施予定だ。