レポート
子供とIT 集約用
EDIX東京で教育用PCをチェック!PCメーカー7社のブースをまとめて紹介!
―――「EDIX東京2025」レポート⑧
2025年5月19日 06:30
教育分野における日本最大級の展示会「EDIX東京2025」では、GIGAスクール構想第2期をはじめ、教員用PCやDXハイスクール対応などをテーマに、多くのPCメーカーが出展した。各社は、学校向けのPCラインナップや関連する教育ソリューションを展示し、多くの来場者の関心を集めていた。
本稿では、レノボ・ジャパン、日本HP、Dynabook、ASUS JAPAN、NECパーソナルコンピュータ、マウスコンピューター、サードウェーブの7社のブース展示を紹介する。
第16回 EDIX(教育 総合展)東京レポート 目次
レノボ・ジャパン:PCに加えて豊富な教育ソリューションを紹介
レノボのブースでは、GIGA端末や周辺機器、AIに対応するCopilot+PCのほか、GIGA端末にバンドルされたサービスが展示されていた。読み放題型電子図書館サービスやデジタル教材、レノボによるメタバース学習環境「Lenovo Metaverse School」など、端末の活用がさらに広がる多様なソリューションが用意されている。
周辺機器では、Chromebookをまとめて充電できてそれぞれの充電状況を表示できるチャージャーや、耐久性あるPCをさらに高耐久とするラゲットケースなどを展示した。
日本HP:5年間容量無制限のLTE使い放題と周辺機器が魅力
日本HPのブースでは、GIGA端末を中心に教員用PCやプリンター、ヘッドセット、スピーカーなどが展示されていた。注目は、GIGA端末の応用パッケージで用意されている5年間容量無制限のLTE使い放題だ。ChromebookとWindowsの両機種でHP eSIM Connectに対応したモデルが出されており、Wi-Fi環境が整っていない場所でも通信が可能である。
Chromebookの基本パッケージ「HP Fortis Flip G1i 11 Chromebook」は、堅牢性と操作性を兼ね備えているのが特長だ。ペンの紛失を防ぐため、子供が最も気づきやすい場所にペンが収納できるようになっている。しかも、ペン先をどちらの向きに格納しても充電が可能だという。
また、プリンターも手がける日本HPは、さつき株式会社の電子黒板「MIRAI TOUCH」とUSBビデオバー「Poly Studio USB」を組み合わせたオールインワンパッケージを展開し、デモを実施していた。さらに、ヘッドセットやスピーカーなど、GIGA端末の活用を支える周辺機器も展示していた。
Dynabook:学校での利用シーンを再現、落下に強いChromebook
Dynabookのブースでは、黒板や机、ランドセルを配置し、学校の教室を模した空間を再現。来場者が児童生徒の目線でGIGA端末の扱いやすさを体験できる展示となっていた。
GIGA端末として展示されていたのは、Windows搭載の「Dynabook K70」と、Chromebookの「Dynabook Chromebook C70」の2機種。どちらも画面とキーボードが分離できるデタッチャブルタイプである。本体はコンパクトで滑りにくい樹脂素材で覆われており、教室の机の上に教科書やノートと一緒に置いても、端から落ちにくい設計となっている。机ごと移動して傾いた場合でも、端末がずり落ちないなど使用感を体験できた。
また、教室の外での学習に便利なハンドル付きハードケースも、「K70」「C70」それぞれに対応するモデルが展示されていた。ハードケースは画面側だけでも使用可能。ストラップは、首などに絡まった場合でも強い力が加わると外れる仕組みが採用されており、子供の利用を想定して安全面に配慮されている。
ASUS JAPAN:堅牢性と品質を実演でアピール!Chromebook Plusの展示も
Chromebookのラインナップが多いASUS。GIGAスクール端末としてのChromebookのほか、高性能のChromebook Plusなどが展示された。また、ASUSのブースでも、教室の環境が再現され、堅牢性をアピールする実演が行われた。
Chromebookはコンバーチブルタイプが2機種。「Chromebook CZ11 Flip」と「Chromebook CZ12 Flip」で液晶サイズ以外はほぼ同じ。さらにデタッチャブルタイプの「Chromebook CM30 Detachable」が用意されている。デタッチャブルタイプは、スタイリッシュなことから最近人気だという。
また、高性能でAI機能を搭載した「ASUS Chromebook Plus」シリーズが3機種展示されていた。文書作成サポートやリアルタイム翻訳、文書読解サポートなどの教育現場でも役立つAI機能が搭載されている。
NECパーソナルコンピュータ:堅牢性と耐久性を重視したChromebookを展示
NEC PCのブースでは、同社のChromebookである「NEC Chromebook Y4」が展示されていた。同モデルは2024年10月に発表したもので、今回新たに本体に固定可能なペンホルダーを搭載。ブースでは、バッテリーの交換が可能である点や、各所に施された堅牢性を高める工夫についても紹介されており、NEC Chromebook Y4の特長を多角的に知ることができる展示となっていた。
また、タッチパネルを搭載した13.3型WindowsノートPC「LAVIE SOL」も展示されていた。同機はZ世代向けをうたったモデルで、学生用のノートPCとして最適。1.19kgという軽量さに加え、デザイン性を重視したノートPCとなっている。
マウスコンピューター:GIGA端末からクリエイティブに強い高性能PCまで
マウスコンピューターのブース中央には、今後ますます重要視されるクリエイティブな学習を見据えて、ハイスペックデスクトップPC「DAIV FX」シリーズが展示されていた。インテルのCoreプロセッサーを搭載し、GeForceやRadeonなど複数のグラフィックボードからの選択が可能。エアフローにも優れており、長時間の作業でも安定した高いパフォーマンスを発揮する。
DIVEシリーズからはノートPCも2機種展示。「DIVE R4」と「DIVE Z6」で、どちらも高性能CPUや高性能グラフィックスを備える。DAIV R4は14型という持ち運び性能とパフォーマンスを両立したPC。画面にはデジタルシネマに強く、3D CAD、動画編集、写真編集などクリエイティブ用途に向いている。またDIVE Z6はキャリブレーションを行った16型の大きな画面を搭載。大画面ながら約1.6kgと持ち運び性能も高めている。
ほかにも、DXハイスクールやeスポーツ部にも向いているゲーミングPCのG TUNEも展示されていた。側面がシースルーなケースにレッドに光るケースファンが特徴的。キーボードもゲーミングPCらしく光る。
GIGA端末としては、Windows搭載の「MousePro T1」と、Chromebookの「mouse Chromebook U1」が展示されていた。いずれも11.6型のフリップ型2in1コンバーチブルパソコンで、タッチパネルやペン入力に対応。さらに、堅牢性にも優れており、学習現場での使用に適した設計となっている。
サードウェーブ:VRやeスポーツ、さらにAI対応のワークステーションも登場
秋葉原などでPCショップ「ドスパラ」を展開するサードウェーブは、法人向けPCブランド「raytrek」シリーズなどを展示していた。
サードウェーブは、高性能CPUや高性能グラフィックスを搭載したPCを用意しており、短納期での提供が大きな特徴となっている。定番スペックのモデルについては、あらかじめ組み上げた在庫品を用意しているほか、最新パーツを使用したカスタマイズ構成でも、国内工場で迅速に組み立てて出荷可能だ。一部の品薄パーツを使用する場合を除けば、注文から短期間での利用が可能となっている。
すべてのPCは動作確認を行ったうえで出荷されるため、ユーザーは安心して受け取ることができる点も大きな特徴だ。最新パーツの場合、装着した際に組み合わせによっては動作しないといった相性の問題が発生することもあるが、サードウェーブのPCではその心配もないという。
また、展示の中には、校務用のAI活用に向けて、オンプレミス環境でAIを動作させるためのワークステーション「raytrek Workstation X6630」も含まれていた。校務でAI活用が本格化していく中で、組織内でより安全にAIを使いたいというニーズは高まることが予想される。こうしたワークステーションが求められる日も来るだろう。