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ガンダムEDIXに立つ!! 見せてもらおうか、小学生向け「ガンプラアカデミア」とやらを

―「EDIX東京2025」レポート③

株式会社BANDAI SPIRITSのブースは、ガンダムがお出迎え

株式会社BANDAI SPIRITSは、2025年4月23日から25日の3日間「第16回 EDIX(教育総合展)東京」に出展し、小学校授業向けプラモデル授業パッケージ「ガンプラアカデミア」を紹介した。ブースでは、教育関係者に向けて「ガンプラトライアルキット」を配布。また、海洋プラスチックについて学習する新パッケージ「CLEAN OCEAN ACADEMIA」の展示も行った。

(左)プラノサウルス(海洋プラVer.)「ヴェロキラプトル」、(右)ガンプラトライアルキット「RX-78-2 ガンダム」

ガンプラアカデミアは、「ガンダム」シリーズのプラモデル「ガンプラ」を題材とした、小学校向けの無償授業パッケージだ。2021年より提供を開始し、2025年4月28日現在で、累計10,834校・759,393人の児童が参加。公式サイトでは、2025年度の申し込みを受け付けている。

2024年度は、大阪府全市町村を始め全国で21.3万人の小学5年生が「ガンプラアカデミア」を受講した

同パッケージの授業では、プラモデルの組み立て体験と工場見学動画を通じて、最新技術や持続可能なものづくりのための工夫について学ぶことができる。小学校5年生の社会科「工業生産」の単元に対応しており、キャリア教育やSDGs学習にも活用できる点が特徴だ。配信動画と体験用プログラムを無償提供するほか、指導案・ワークシート・掲示用画像データなど、授業に必要な一式を提供する。

授業の流れのイメージ

上記の授業内容に加え、希望校には発展学習として、児童がオンラインで質問できる「ライブ通話」と、射出成形機を搭載したトラックが学校を訪問し、プラモデル枠のリサイクルを実演するオプションプログラム「マイプラスチックステーション」も無料で提供可能となっている。

またEDIXブースでは、新たな授業パッケージとして、海洋プラスチックで環境問題について学ぶ「CLEAN OCEAN ACADEMIA」を紹介。同パッケージでは、粉砕したペットボトルを練り込んだ教材用プラモデル「ヴェロキラプトル」を使用する。

海洋プラスチックで環境問題を学ぶ「CLEAN OCEAN ACADEMIA」
取り組みの概要

対象は小学4年生で、主に社会科の単元「人々の健康や生活環境を支える事業」と、総合的な学習の時間・特別活動を想定している。授業は、海洋プラスチックごみ問題に関する動画視聴とプラモデルの組み立てに加え、学習内容を家族と共有する家庭学習を行う流れで展開。希望校は、事前学習として地域の清掃活動を行うことも可能となっている。

取材後、筆者も早速小学5年生の息子と一緒に「ガンプラトライアルキット」を組み立ててみた。キットは、小学生の手にしっかり収まるサイズで、工具や接着剤不要で組み立てられるよう工夫されていた。プラモデル制作が初めてでも、挫折せずに取り組めるのではないだろうか。

パーツが取り出しやすく、工具なしで制作できる
大人がほとんど手助けすることなく、完成

小学校の校外学習は工場見学などが主流だが、人気の工場は予約が殺到して見学先の選定が大変というケースもあるだろう。筆者としては、普段訪れることができないプラモデルの工場・バンダイホビーセンターを動画で見学し、実際に手を動かしてものづくりを体験する学習がとても魅力と感じた。

さらに、秋から開始予定の「CLEAN OCEAN ACADEMIA」では、事前学習と組み合わせることでペットボトルがリサイクルされて製品化される流れを身近に感じることができるという。何より、一番の魅力はこれらのパッケージが無償で提供されることだ。キャリア教育やSDGs学習の授業の選択肢に悩む先生にお勧めしたい。

本多 恵

フリーライター/編集者。コンシューマーやアプリを中心としたゲーム雑誌・WEB、育児系メディアでの執筆経験を持つ。プライベートでは幼稚園児&小学生の母。親目線&ゲーマー視点でインクルーシブ教育やエデュテインメントを中心に教育ICTの分野に取り組んでいく。