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マイクロソフト、Copilot+PCでAI活用を切り拓く 50周年展示でカイル君も登場
―「EDIX東京2025」レポート①
2025年4月30日 06:30
教育に関する日本最大級の展示会「EDIX東京2025」が4月23日から25日にかけて開催された。日本マイクロソフトのブースは「AI in Education みんなで創るGIGAの未来」をテーマに、マイクロソフトの最新AIソリューションの展示や教育版マインクラフトのセミナーを実施した。さらに今年は、マイクロソフト創立50周年の節目にあたる年で、Windowsの歩みや教育分野への取り組みを展示した特設サイトも用意された。
高まるAIへの関心、Copilotの教育活用を展示
この1年で、教育分野も生成AIの活用が広がり、教育関係者らのCopilotに対する関心も高まっているようである。ブースのスタッフに話を聞いたところ、「昨年まではAIとはどのようなものかという関心が中心だったが、今年はAIで何ができるのかを知りたくて来場される方が増えている」と語っていた。
ブースでは、校務との親和性が高いCopilotを活用した働き方改革を紹介。Microsoft 365 Copilotによる小テスト作成や、TeamsやOfficeで使えるCopilotの活用方法、さらには画像を生成して結果を共有するといった複数人で活用する方法も展示された。
ハンズオン(体験学習)セミナーでは、Copilotを活用した実践に取り組む教員らによるセッションや、さまざまな活用や操作方法が学べる場も設けられた。
「Copilot+PC」でめざす、新しい教育環境と学習体験
PCのコーナーでは、AIを活用できるPCの規格「Copilot+PC」に対応したインテル Core Ultra プロセッサーやAMD Ryzen AI プロセッサー、Snapdragon Xなどを搭載した最新PCを展示した。Copilot+PCは、資料検索の効率化や画像生成、イラスト作成補助、リアルタイム翻訳など、高度でセキュアなAI活用ができる。
教育機関でCopilot+PCを使うメリットは何か。マイクロソフトによるブースセミナーでは、ローカルデータを使用したAI活用ができることや、ネットワーク環境に左右されず、AIを活用できること。また、プライバシーに配慮したセキュリティ対策が可能である点をメリットに挙げていた。クラウド上にあげることなくローカルデータでAIを活用できるため、安心・安全にAIを活用できるのが教育機関にとってはメリットだといえる。
そして、マイクロソフトはCopilot+PCで動作する学習支援アプリ「Project Spark」を発表した。これは、AI処理に特化したプロセッサであるNPUが搭載された端末を使い、パソコンだけでAIを活用して学習コンテンツを作成できるというもの。クラウド接続に悩まずAIを活用できるうえ、ネット上にあるオープンソースの教材などを参照に個別最適な教材をつくることが可能だ。教材を作成する教員には、Copilot+PCが必要であるが、教材を利用する児童生徒は通常のWindows 11のパソコンで利用できるという。
PCのコーナーでは、最新Windowsデバイスが勢ぞろい。Copilot+PCと児童生徒用や教員用のWindows PCが一挙に展示された。
教育版マインクラフトのセミナーやハンズオンも実施
今回のブースでは、マイクロソフトが提供する学習ソリューションのひとつ、「教育用マインクラフト」に関連するセミナーやハンズオンも多く実施された。マインクラフトを活用したプログラミングやeスポーツ体験のほか、宇宙をテーマにしたマインクラフト月面再現教材「ルナクラフト」の紹介など、創造性を育むマインクラフトの活用が語られた。
なかでも賑わっていたのが、「Minecraftカップ」で受賞したチームの中高生によるプレゼンテーションだ。ウェルビーイングな未来のまちをマインクラフトの世界で表現し、作品に込めた想いが語られた。
マイクロソフト50周年、特設サイトのフォトスポットに懐かしいWindowsも
ブースには、マイクロソフト50周年として、歴代のWindowsやマイクロソフトの歴史をパネル展示していた。その周囲には先生や教育関係者、さらにはマイクロソフト社員が同社との関わりや製品に対する想いを記したカードが展示されており、来場者はマイクロソフトの歴史を振り返ることができた。
特設サイトは、フォトスポットにもなっており、撮影用の手持ちアイテムとして、50周年ロゴのほか、懐かしのイルカの「カイル」も用意されていた。ブーススタッフによる記念写真の撮影サポートも行われており、多くの来場者が足を止めていた。