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GIGA第2期、調達予定端末は57%がChromebook MM総研調査

「GIGAスクール構想実現に向けたICT環境整備調査」(2024年8月時点)

共同調達への参加意向(市区町村数=1,269)※出典:MM総研

株式会社MM総研(MMRI)は「GIGAスクール構想実現に向けたICT環境整備調査」(2024年8月時点)の結果を発表した。同調査は、GIGA第2期に向け各市区町村が進めている端末更新に関する方針や課題をまとめたもので、2024年7月から8月にかけて全国1,741の市区町村に電話調査を実施し、一部回答を含む1,279の市区町村から回答を得た。

調査結果によると、91%の市区町村が都道府県主導の共同調達に参加する意向を示している一方で、端末価格の高騰や供給体制に懸念を抱えていることが明らかになった。GIGAスクール端末の更新は市区町村ごとではなく、都道府県ごとの共通仕様書に基づく共同調達方式が採用される予定だが、48%の市区町村が「端末価格の高騰」を最大の懸念事項として挙げている。

GIGA第2期で端末調達するうえでの課題や懸念事項(市区町村数=1,248)※複数回答 ※出典:MM総研

調達予定の端末単価は、政府補助金の範囲内である5.5万円以内とする市区町村が71%を占め、5.6万円以上を想定しているのは15%にとどまることがわかった。こうした価格上昇の背景には、円安の影響が大きく、これまで高価な端末を導入してきた市区町村では、キーボードカバーやタッチペンなどの周辺機器を購入する予算が足りないとの回答も多かった。

GIGA第2期で想定している端末単価(市区町村数=1,256)※出典:MM総研

調達時期については、端末更新の68%が2025年度に集中する見込みであることも明らかになった。2025年度はWindows 10の延長サポートが終了するほか、前回の調達を支えた地域販社が入札に参加しにくいことから円滑な端末供給と更新作業が課題となる可能性が高い。2024年8月に、GIGA第1期で端末を納品した事業者43社へ聞き取りしたところ、今回の共同調達に応札すると明言したのは4社にとどまっている。

調達時期別の端末台数(台数合計は652万台※)※出典:MM総研

端末更新においては、「都道府県主導であらためて3OSを比較した」という市区町村が約7割となっている。内訳は、「OSを切り替える」が12%、「検討中もしくは未定」は24%となっており、2~3割程度の市区町村がOSを切り替える可能性がある。中でも、Windowsを採用していた393市区町村は「OSを切り替える」が21%となり、全体よりも9ポイント高い結果となった。

端末更新にあたってのOS切り替え方針(市区町村数=1,268)※出典:MM総研

同調査では、全市区町村の46%を占める796市区町村が要望するOSごとの調達予定台数を回答している。調達予定の端末台数は合計で約367万台で、ChromeOS(Chromebook)が211万台(構成比57%)、iPadOS(iPad)が101万台(同28%)、Windowsが55万台(同15%)となっており、現段階で調達方針を決めている市区町村ではChromeOS(Chromebook)の比率が高い。

調達予定の端末台数(市区町村数=796、端末台数=367万台)※出典:MM総研

調査の結果、端末価格の高騰を懸念する市区町村が、本体と周辺機器や端末管理ソフト(MDM)を補助金額の5.5万円以内に収めることを念頭に置くと、端末価格を比較的安価に抑えやすいChromebookを選択することが多いと考えられる。

また、教育委員会からは、「前回導入のWindowsパソコンの起動に時間がかかる」「OS更新に時間や手間がかかる」など、予算内で調達できる端末のハード性能や運用面に課題があがっている。同様に、本体と周辺機器ともに値上がり傾向にあるiPadについても、MDMを含めた調達価格を複数年にわたり予算内に収められるかが懸念される。

MMRIは、共同調達方式は一定の成果があると評価しつつ、調達の大型化によって全国規模のIT販売店や通信事業者など、大手サプライヤーに絞られる可能性が高いと示唆している。また、地場の販売店が市場に参入できないことで、「納品場所や時期が分散するGIGAスクール市場では、地域によって導入支援や運用サポートが不足する供給格差が生まれる可能性がある」とまとめている。