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中学校での端末利用率が94%に、ICT利用で学習意欲やデジタル職種への興味が向上 MM総研調査
「生徒による学校でのICT端末の利用動向調査」(2024年11月時点)
2024年12月27日 10:00
株式会社MM総研(MMRI)は、「生徒による学校でのICT端末の利用動向調査」(2024年11月時点)の結果を2024年12月26日に発表した。同調査は、中学3年生から大学生を対象に実施したもので、GIGAスクール構想以降のICT端末利用状況が学習意欲や将来的な職業選択に与える影響を分析している。
同調査では、現在授業でICT端末を利用している中学3年生と高校1年生の回答者を「GIGA世代」、GIGAスクールの環境が整う前の2020年度以前の世代で、現在大学生である回答者を「非GIGA世代」と想定して結果をまとめた。
GIGA世代と非GIGA世代を比較すると、中学校におけるパソコンやタブレットの利用率は94%に達し、56ポイントの大幅な増加を示した。この結果は、ICT端末が全国的に広く普及していることを裏付けている。
パソコンやタブレットを使った学習への満足度は、GIGA世代で75%と高く、非GIGA世代の36%から39ポイント上回っている。GIGA世代はICT端末の利用率に加え、学習への満足度も向上した。
学習の満足度向上には、「パソコンやタブレットを使った学習の方が楽しい」と答えた生徒の割合が非GIGA世代を8ポイント上回ったことや、「グループワークやペアワークが増えた」とする回答が14ポイント増加したことが関係している。パソコンやタブレットを活用した学習が、生徒の学習意欲や主体的な学びを促進していることが示唆される。
新しい技術を積極的に取り入れる企業で働きたいかどうかを聞いたところ、「働きたい」と回答した割合がGIGA世代は55%、非GIGA世代が48%という結果となった。一方で、ICT端末を使った学習を「楽しい」と感じた回答者の61%が、デジタル職種に興味を持っており、「楽しいと思わない」との回答者と25ポイント以上の差が開いた。
同調査では、パソコンやタブレットを活用した学習の増加により、学習意欲が向上した子供が増加したことが明らかになった。MMRIは、ICT端末の利用頻度が高まり、授業にICT端末を取り入れるノウハウが確立してきたとして、「学校での端末利用に慎重な意見もあるが、有効な活用方法を共有するとともに、適切な支援をしながら教育現場でのICT活用を推進することが重要」とまとめている。