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【2024年度上期】タブレット端末の国内出荷台数が4年ぶりに増加、MM総研調査

2025年度はGIGA特需で900万台超を見込む

国内タブレット端末出荷台数の推移・予測 ※出典:MM総研

ICT市場調査コンサルティングのMM総研は、2024年度上期(2024年4月から9月)の国内タブレット端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。

2024年度上期の出荷台数は前年度同期比15.3%増の302万台となった。上期台数として、「GIGAスクール構想」の特需により過去最高を記録した2020年度(462万台)以降は減少傾向となっていたが、4年ぶりに増加に転じた。増加の要因としては、アップルのiPadに加えて、Androidスマートフォンを投入するメーカーによるWi-Fiタブレットが増加したためとMM総研では分析している。

メーカー別出荷台数はアップルが15期連続で1位を獲得した。また、2024年度上期のスマートフォン出荷台数で5位のシャオミが、タブレット出荷台数でも初めて4位にランクインしている。

MM総研では、2024年度通期の出荷台数は前年度比12.9%増の637万台と予測。2024年度下期からは、GIGAスクール構想で配布した端末の買い替え需要が見込まれ、2025年度にはその特需により905万台と大幅増が期待できるとしている。

調査結果は以下の通り。

・アップルが出荷台数で15期連続1位、シェアは49.9%
2024年度上期のメーカー別出荷台数シェア1位はアップルで、上期として15期連続で1位を獲得した。出荷台数は150.8万台で、シェアは49.9%を獲得した。

2位はNECレノボで33.6万台(シェア11.1%)、3位はSurfaceシリーズを展開するマイクロソフトで25万台(8.3%)、4位はシャオミで19.7万台(6.5%)、5位はFireタブレットを展開するアマゾンで15.2万台(5.0%)となった。上位5メーカーで80.9%を占める。

2024年度上期 タブレット端末 メーカー別出荷台数・シェア ※出典:MM総研

上位5社の中で純粋なメーカーはNECレノボとシャオミのみ。OS、ソフトウエア、アプリストア、コンテンツサービスを展開するプラットフォーマーの存在が引き続き目立っている。

シャオミは、スマートフォンと同様に、Xiaomi、Redmi、POCOの3ブランドを冠したWi-FiのAndroidタブレットを複数モデル投入したことが奏功した。

・OS別では、iPadOSが7年連続1位を獲得
OS別の出荷台数・シェアでは、iPadOSが150.8万台(シェア49.9%)で、上期として2018年度から7年連続1位となった。2位はAndroidで98.6万台(32.6%)、3位はWindowsで52.6万台(17.4%)となり、2023年度から順位は変わらない。

2024年度上期 タブレット端末 OS別出荷台数・シェア ※出典:MM総研

・通信回線別ではWi-Fiが8割以上
回線別の出荷台数・シェアでは、セルラータブレットが44.6万台(14.8%)、Wi-Fiタブレットが257.4万台(85.2%)で、Wi-Fiタブレットは8割を超えている。

携帯キャリアによるセルラータブレットの販売戦略は消極的であり、上期出荷のWi-Fi比率は過去最高となった 。

・画面サイズは9インチ以上が9割以上
画面サイズ別の出荷台数・シェアは、「9インチ未満」が21.1万台(7.0%)、「9インチ以上」が280.9万台(93.0%)となった。

大画面が主力である理由として、スマートフォンの画面サイズとの差別化のほか、動画視聴や電子書籍・漫画などのエンターテインメント利用、外付けやワイヤレス接続のキーボードを活用した仕事・学習用途にそれぞれ適しているためとMM総研では分析している。

法人タブレット市場も、オフィスソフトとの親和性、店舗利用での視認性・操作性のメリットにより大画面が主流となっている。

2024年度上期 タブレット端末 セルラー/Wi-Fi別出荷台数・シェア(左)/2024年度上期 タブレット端末 画面サイズ別出荷台数・シェア(右) ※出典:MM総研

セルラータブレット:携帯キャリアの移動通信網が利用可能(SIMフリータブレットを含む)
Wi-Fiタブレット:Wi-Fi接続のみ通信が可能

・2024年度通期は637万台と予測、2025年度はGIGA特需で900万台超
MM総研では2024年度通期のタブレット出荷台数を637万台(前年度比12.9%増)と見込んでいる。

以降は、2025年度905万台、2026年度717万台、2027年度637万台、2028年度635万台と予測している 。2025年度は2020年度に初期配備のピークを迎えた小中学校向けGIGAスクール端末の買い替え特需により大幅増となるが、その効果が薄れる2026年度は大幅減となり、2028年度にかけて微減傾向という予測だ。