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【2024年度通期】GIGA特需でタブレット出荷が12.9%増、MM総研調査
2025年度は943万台を予測
2025年6月11日 08:30
ICT市場調査コンサルティングのMM総研は、2024年度通期(2024年4月~2025年3月)の国内タブレット端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。
2024年度通期の出荷台数は前年度比12.9%増の665万台で、2020年度から4年ぶりの増加となった。
これまでの調査によると、2020年度は「GIGAスクール構想」による小中学校向けのタブレット配備の特需により、1152万台と過去最多を記録。しかし一巡後は減少傾向となり、2023年度は589万台に半減した。
2024年度下期からは、GIGAスクールの買い替え需要がスタートし、前述の通り出荷台数が増加となった。2025年度は943万台(前年度比41.8%増)で、2020年度に次いで過去2番目になるとMM総研は予測する。ただし、一巡後は再び減少傾向になると分析している。
・メーカー別台数シェアはアップルが15年連続で1位
2024年度通期のメーカー別出荷台数シェア1位はアップルとなった。国内でタブレットが登場した2010年度から15年連続の1位を継続している。出荷台数は335万台でシェア50.4%を獲得し、3年ぶりにシェア過半数を奪還した。
2位はNECレノボで76.6万台(シェア11.5%)、3位はマイクロソフトで58万台(8.7%)、4位はLIMNO(旧・鳥取三洋)で32.9万台(4.9%)の順となり、上位4メーカーで75.6%を占めている。
・iPadOSが7年連続1位を獲得、2位は4年連続でAndroid
OS別の出荷台数・シェアはiPadOSが335万台でシェア50.4%となり、2018年度から7年連続で1位となった。2位はAndroidで212.2万台(31.9%)、3位はWindowsで117.8万台(17.7%)となった。僅差が続いていたAndroidとWindowsの差は台数にして約2倍に広がり、Androidが4年連続の2位となった。
・回線別はWi-Fiが84.1%、画面サイズは9インチ以上が90.1%
回線別の出荷台数・シェアは、セルラータブレットが105.7万台(15.9%)、Wi-Fiタブレットが559.3万台(84.1%)だった。Wi-Fi比率は2023年度(81.8%)を抜いて過去最高となっている。
画面サイズ別の出荷台数・シェアは、「9インチ未満」が66万台(9.9%)、「9インチ以上」が599万台(90.1%)となった。前年度に続いて「9インチ以上」が9割以上となった。
GIGAスクール需要においても学習用途のために大画面が好まれ、大画面Wi-Fiタブレットを自宅のWi-Fiネットワークに接続して利用するユーザーが多いようだとMM総研では分析している。
・2025年度は943万台に回復も、買い替え一巡後は再び減少傾向
MM総研では2025年度のタブレット出荷台数を前年度比41.8%増の943万台と見込んでいる。以降は2026年度が731万台、2027年度は706万台、2028年度が663万台と予測。2025年度は買い替え需要がピークとなることで、一時的ながら回復することが期待できるが、GIGAスクール以外での需要回復が見込めないため、2026年度以降は、再び減少トレンドになると分析している。
また、2024年度の上位4メーカーの顔ぶれは前年度と変化ないが、シャオミ、サムスン電子、オッポといったスマートフォンのメーカーによるタブレットも製品数としては増加しつつあるという。
さらに、スマートフォン市場では高価格端末を中心にAI(人工知能)搭載による差別化も進んでいるが、タブレット市場においても同様の競争により、さらなる市場活性化が進むことが期待されるとMM総研ではコメントしている。