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GIGA端末処分の意識調査を実施、半数が「処分方法を把握していない」と回答
一般社団法人 児童生徒のデータプライバシー協会調べ
2025年3月7日 08:30
一般社団法人 児童生徒のデータプライバシー協会は、全国の自治体で教育関連業務に携わっている人を対象に、GIGAスクール端末の適正な処分に関する意識調査を実施し、調査結果を2025年3月6日に発表した。同調査では、教育関係者の約2人に1人がGIGA端末の適正な処分方法を把握していないことが明らかになった。
【調査概要】
調査地域:全国
対象者条件:教員や自治体の教育業務に携わる教育関係者(20代~70代以上)
調査手法:インターネット調査
実査時期:2025年2月
サンプル数:117
GIGAスクール構想により、小中学校で1人1台端末の整備が進んだが、5年程度で更新時期を迎える。MM総研の調査によると、2025年から2026年にかけて、約950万台の端末が更新される見込みであり、適切な処分対応が求められている。
教育現場におけるGIGA端末の処分方法について聞いたところ、「知らない、かつ把握する必要はないと思っている」と「知らないが、把握する必要があると思っている」の合計47%が「知らない」と回答した。
文部科学省は、2024年1月に教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインを改訂し、専用ソフトを利用してGIGA端末処分時にデータを消去することなどを規定した。また、適正な処分には小型家電リサイクル法認定事業者への委託が必須となるが、認定事業者へ処分を委託している割合は、17.1%にとどまっている。
認定事業者の活用を考えていない理由として、「認定事業者の存在を知らなかったから」(29.4%)という回答が最多となった。次いで「認定事業者を活用するための手続き方法がわからないから」(25%)、「認定事業者に依頼したいが、手続きが面倒、または費用がかかるから」(23.5%)といった回答が寄せられた。
環境省は、2024年5月から自治体に小型家電リサイクル法での処理を周知するほか、教育委員会向けに小型家電リサイクル法に基づく処分に関する説明会や相談会を実施している。同団体では、「処分計画をつくり終えていない自治体も多く、認知度や利用率が十分に高まっていない」と分析している。
さらに、教育関係者が把握していないGIGA端末内のデータの種類を調査したところ、67.5%が「いじめアプリなど個人のセンシティブなデータ」と回答。授業などで利用する学習データに関しては、35.9%が把握していないことが判明した。
同団体は、全国の小・中学校に整備されたGIGAスクール端末更新に伴い、適正な端末処分やデータ消去を普及させることにより、児童生徒のデータプライバシーを保護することを目的として2025年1月に発足された。
950万台もの端末が一斉に処分されるようなケースは、全国でも初めてのケースとなるとして、「1台もデータを漏えいしない、GIGAスクール端末入れ替え」を実現するため、今後も啓発活動を続けていくとしている。