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高校生の探究学習、難しいのはテーマ設定──スタディプラスが1,168人に調査
2025年9月5日 17:00
スタディプラス株式会社のStudyplusトレンド研究所は、全国の高校生1,168人を対象に学習管理アプリ「Studyplus」上で探究学習に関するアンケート調査を実施し、2025年9月5日に調査結果を発表した。
調査対象:全国の「Studyplus」ユーザー
回答者:1,168名
【属性分類】
高校1年生212名(女子161名・男子45名・わからない/答えたくない6名)
高校2年生306名(女子184名・男子108名・わからない/答えたくない14名)
高校3年生648名(女子441名・男子183名・わからない/答えたくない24名)
それ以外2名
調査方法:学習管理アプリ「Studyplus」上でアンケート回答を依頼し、オンラインで回答を回収
調査時期:2025年7月25日〜7月29日
今回の調査では、探究学習における最も難しい点として「テーマを決めること」を挙げた高校生が37.4%にのぼった。探究学習は自ら課題を見つけ、調査・考察・発表を行う学びだが、出発点となるテーマ選びの段階でつまずく生徒がいることが明らかになっている。
地域ごとの取り組みにも違いが見られた。九州・沖縄および北海道・東北では「学校外(地域・人)との連携」に力を入れている割合が約50%と高く、関東の約30%と比べて20ポイント近くの差があった。近畿では「調べ学習」が他地域に比べて低く、「発表」や「ポスターセッション」に力を入れる傾向があることがわかった。
また、グループ活動に関する不満も浮き彫りになっている。
グループディスカッションに対し、「グループ活動になることで自分のしたかったことからずれてしまう」「グループ全体で評価されることに違和感を感じる」という声や、出席番号で決められるグループ分けに対する不満が自由記述で多数寄せられている。加えて、「先生からのサポートが少ない」「テーマ設定や進行方法が曖昧で困る」といったコメントも見られた。
一方で、生徒たちは探究学習の目的を「考える力・話す力を育てるため」と捉えており、自分を成長させる学びと意識していることもわかった。6割以上の生徒が「自分の趣味や好きなこと」をテーマの出発点にしているものの、自由に選べるがゆえに決定が難しいという課題もあるようだ。
Studyplusトレンド研究所は、「探究の学び」は社会の変化に対応する力を養う上で重要としながらも、教育機関だけでなく、地域や企業、メディアを含む社会全体で生徒を支える仕組みが必要だと指摘している。