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プロ検で「情報Ⅰ」の学習成果を把握可能に、実践論文を情報処理学会誌に掲載
2025年10月20日 15:50

株式会社スプリックスは、プログラミング能力検定協会と一般社団法人 情報処理学会が、高校における「情報Ⅰ」必修化に関して共同執筆した実践論文が、情報処理学会の会誌「情報処理」デジタルプラクティスコーナーに掲載されたと発表した。
同論文は、2022年度から高等学校で必修となった「情報Ⅰ」におけるプログラミングの学習と評価についてまとめた内容であり、タイトルは『高等学校における情報Ⅰの必修化とプログラミングの評価』。執筆者は、プログラミング能力検定協会の飯坂正樹氏と情報処理学会SIG部会の五十嵐智生氏である。
特に、プログラミングの学習成果をどのように測定し、教育現場での指導や評価にどのように生かしていくかについての実践事例を紹介している。
株式会社プログラミング総合研究所が、全国の教員・学校関係者462名を対象に実施した調査によると、2025年共通テストへの「情報Ⅰ」導入を目前に86.7%が不安であると回答している。不安の理由として、「生徒の理解度が共通テストのレベルに達していない」「指導時間の不足」「生徒の理解度が深まっていない」が挙げられた。
特に、「コンピュータとプログラミング」の領域は指導方法と評価がほかと大きく異なるため、プログラミング能力検定を高等学校「情報Ⅰ」におけるプログラミングの評価に採用する8校へのヒアリング結果を掲載。同検定を授業や課外活動の中で活用し、生徒の習熟度を客観的に評価した事例を紹介している。
中には実用性の高いプログラムを作成できる「レベル5」や「レベル6」に合格した生徒もおり、自信や進路意識の向上に寄与したとの報告もあった。
また、「情報Ⅰ」のプログラミング領域の学習時間は平均して10〜14時間程度であり、十分とは言えない現状も明らかになった。同論文では、民間検定を活用することで、限られた時間内でも学習成果を定量的に把握でき、指導改善にもつながると指摘している。
論文が掲載された「情報処理」Vol.65 No.11(2024年10月15日発行)は、一般にも公開されており、情報処理学会のWebサイトから閲覧が可能だ。