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産学官でAI教育の指導者を育成、APCがプロジェクトを始動

株式会社APCが、教員志望の大学生を対象に、AIリテラシーを向上させる人材育成プロジェクトを実施(出典:株式会社APC)

 大分市の株式会社APCは、国立大学法人大分大学教育学部 萩嶺直孝准教授と大分県立情報科学高等学校と協力し、教員志望の大学生が、中高生に向けてAIに関する初等教育を行うための力を身に付ける「指導者育成プロジェクト」を開始する。

 このプロジェクトは、教員自身がAIツールを使いこなせるようAIリテラシーを向上させることが急務となっていることから開始。教員志望の大学生が在学中からAIのリテラシーを高め、中高生の生徒たちがAIと正しく向き合うことができるAI初等教育の授業を実施できることを目的としている。

 具体的には、教員を目指す大学生に対し、APCが提供するAI教育講座パッケージ「AIミネルバNovice」の教材などを活用。高校生への指導経験を積むプログラムを実施し、大学生が高校でAIの授業を実施して教育者としての経験を積む。

 一方、同プロジェクトの協賛企業を募り、APCはキャリア教育で使用するAIツールを企業に提供。企業は地元で働きたいと考える高校生に対して、業界説明や企業紹介動画などを提供するなどのキャリア教育を実施する仕組みだ。

 プロジェクトにより、若年層へのAI教育普及と地方中小企業の人材確保支援、教育学部学生の実践経験創出の取り組みを進め、地方におけるAI教育のエコシステムの構築を目指す。

プロジェクト概要図(出典:株式会社APC)

 12月5日(金)と12日(金)には、大分大学の教育学部生が情報科学高校でトライアル授業を実施予定だ。今後は、AI利用の決まりや注意事項といったAIリテラシーのほか、「教員あり学習」「教員なし学習(強化学習)」の授業カリキュラムを両校の学生と生徒が作成。大分県下の中学校で授業を実施することも検討しているという。