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AIが教材や板書計画を作成、スタディポケットが授業と校務を支援する新機能を公開

スタディポケット株式会社が、生成AIを活用した新機能「マジックプリント」を公開

スタディポケット株式会社は、生成AIを活用した新機能「マジックプリント」を公開した。同機能は、学校向け生成AIサービス「スタディポケット for TEACHER」の利用が多い導入校から順次提供を開始し、令和2025年度中には全ての教員向けライセンスに標準搭載される予定だ。

マジックプリントは、単元テーマや指導案を入力することで、教材プリントや授業用スライド、板書計画、小テストなどの草案を図解を含めて自動生成する機能である。小学校1年生から高校生の大学受験対策まで幅広く対応し、特別支援学校・学級における個別指導計画の作成にも活用できる。

同機能の出力形式は、現在PDFファイルと画像に対応。PowerPointとGoogleスライドのファイル形式への書き出しと連携は、少しずつ精度を高めながら2025年度中の提供を目標とする。また、将来的には児童生徒用の学習コンテンツへの応用も想定しているという。

提供開始時期は、本年度の契約済みアカウントには2025年3月中旬から5月、新年度からの契約アカウントは、2025年4月から7月にかけて順次提供する予定だ。

マジックプリントの活用例

同機能は、教科書の要点まとめや実験・観察の手順の視覚化、歴史や理科での時系列整理プリントの作成など、さまざまな場面で活用できる。また、ディベート用の論点整理カードや探究学習の課題設定シートの作成、学級通信や保護者向け案内の作成にも活用できるとしている。

数学の板書計画の再現例
大谷翔平選手を題材とした道徳の板書計画の例

「『万博とは何か』というテーマで、これまでの歴史や過去に発表された代表的なものを紹介する『小学6年生用のスライド』を2枚生成する」といったことも可能だ。AIをスライドの構成を考えるための「壁打ち相手」として利用できる。

「万博とは何か」というテーマでスライドを2枚生成した例

印刷してハサミで切り離せる体裁として、「ペットボトルの再利用」のグループディスカッションに利用できるテーマカードを作成するなど、内容と同時に利用目的に合わせたレイアウトの指定も可能。

協働的な授業で利用するディスカッションカードの作成例

給食に関するアンケートで、「野菜や果物をたっぷり使ったメニューを増やし、食物繊維を多く摂取できるようにしてほしい」「食べ物アレルギー対策にもっと配慮してください」などの回答を分析してビジュアルでまとめることも可能だ。現在は、100件程度までの自由記述文を一度に処理できるという。

アンケートを分析し、ビジュアル化した例

特別支援学級の小学1年生向けに「身近にあるもので音を出してみる」という音楽の授業用指導プリントや、英文を添削した上で、修正前と修正後を視覚的に比較しやすくするプリントなども作成できる。

個別指導計画に基づき、児童の発達段階に応じたプリントの作成例
英文添削後、添削結果の図解形式をリクエストしたプリントの作成例

さらに、「資料や文献を提示し、そこから読み取る問題を含めた大学入学共通テストの想定問題を作成」という指示や、「模範解答を赤文字で入れた教員用指導用プリントを作成」などの指示で、内容をブラッシュアップ可能だという。

大学共通テストの入試対策用試験問題の作成例