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埼玉工大、高大連携でDXハイスクール採択校を支援

各分野のスペシャリストが対策チームを編成

高大連携によるDXハイスクール事業で活用できる、埼玉工業大学のコンテンツ例

埼玉工業大学は、全国のDXハイスクール採択校に対し、同大学のリソースを活用した支援を行う「DXハイスクール対策チーム」を編成したことを7月8日に発表した。同チームでは、埼玉県内をはじめとする全国の採択校に対し、デジタル技術と理数分野の教育を強化するための多様なサポートを提供する。

具体的には、デジタルものづくりの体験や数理・データサイエンス・AIに触れるための研修、ICTの活用方法の習得についてアドバイスや指導、設備に関するサポートを行う。

また同大学は、情報系をはじめ理工系や文理融合の各分野の教育・研究体制と設備・施設を備えており、DXおよびグリーントランスフォーメーション(GX)分野に対応できる多数の専門家を擁している。DXハイスクール対策チームは、化学・環境、エネルギー分野の研究の専門家である松浦宏昭教授が統括役を務め、情報技術教育の専門家である桑木道子講師、高校の工業教育に経験豊富な清水雅己教授らが中心となって運営する。

DXハイスクール対策チームのメンバー

さらに、DXハイスクール事業に関連するさまざまなコンテンツを提供し、高校生が活用できるように支援する。DXハイスクール事業で利用できる、主な研究設備は以下の通り。

光造形方式の3Dプリンター

●3Dプリンター
溶かした材料を積層するタイプと異なり、紫外線(UV)で硬化する液体樹脂にUVレーザーを照射して積層させる光造形方式の3Dプリンターを採用。造形精度が高く、透明で表面がなめらかなパーツを作製できるため、歯車やインペラなどの機械部品、内部の流体が観察できるパイプなどを造形可能。金属加工が難しい複雑な造形物をCAD/CAMで設計・図面化して、3Dプリンターで造形できる。

3つのコンピューター実習室を兼ね備えた情報基盤センター

●情報基盤センター
3つのコンピューター実習室を兼ね備えた情報通信・情報教育の要となる施設。情報リテラシー教育から科学技術の先端研究まで、幅広く対応できる体制が強みとなっている。理系・文系学部の講義室にも、複数のパソコン実習室があり、理系・文系の区別なく情報教育に触れる機会を幅広く提供している。

車両特性に応じて対応が可能な自動運転車両

●自動運転車両
同学の自動運転技術は、車両特性に応じて後付けが可能なシステムで、幅広いモビリティーへの迅速対応が可能となっている。同技術を教育教材として活用したものが中型路線バス仕様の車両に搭載した自動運転バスである。一部のスクールバス路線にも導入され、市民や地域の小学生が自動運転バスに乗ることで、その技術を実感できるようになっている。

脱炭素社会実現に向けた技術開発を進める、ものづくり研究棟

●ものづくり研究棟
GXへの取り組みの一環として、地域特性を生かした脱炭素社会モデルの構築を牽引する社会実装研究を加速させるため、2024年3月にクリーンエネルギー技術開発センターを開設。高い安全性と長寿命を兼ね備えた新型蓄電池や農業支援、自動運転に関するさまざまな社会実装研究を実施し、地域の脱炭素社会実現に向けた技術開発を進めている。