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高校生1万人に探究教材を無償提供、「未来の翼プロジェクト」参加校を募集
2025年5月27日 12:03
一般社団法人国際エデュテイメント協会は、高等学校の生徒1万人を対象とする「未来の翼プロジェクト」の参加校募集を開始したと2025年5月26日に発表した。
同プロジェクトでは、横河電機株式会社、株式会社Edutainment-Lab、株式会社マザーハウス、生活協同組合コープさっぽろの4団体の事例を掲載。企業活動の事例をもとに社会課題やキャリアについて考える探究教材を希望校に配布する。
▶横河電機株式会社 未来共創イニシアチブ「未来の描き方:シナリオプランニングで切り拓く可能性」
▶株式会社Edutainment-Lab「新しい学びの形:教育のデジタルトランスフォーメーション」
▶株式会社マザーハウス「サステナブルなものづくりのカタチ」
▶生活協同組合コープさっぽろ「持続可能な子育て支援:コープさっぽろの子育て応援プロジェクト」
認定特定非営利活動法人カタリバによると、探究学習を推進する担当者の95%が「課題を感じている」と回答。特に「授業案やカリキュラムの設計」「校内で探究学習への理解が広がらない」「調べ学習で終わってしまう」といった課題が挙げられており、「外部との連携・協働」では、探究の実施年数が長くなるにつれて課題感が増加する傾向があるという。
同団体は、産学連携の観点から、探究授業の効果的な活動ができる教材を提供する同プロジェクトを発足。横河電機株式会社未来共創イニシアチブ監修のワークシートによって、キャリアパスを考える活動につなげられるように工夫している。特に金銭面での捻出が困難で、探究教材の利用を断念する学校がある実態から無償配布に関する今回の取り組みを開始した。
教材は14ページ構成で、計4社の活動事例をもとにした記事を収録。チャプター全体のテーマとなる「Chapter Question」と、探究活動をアシストする「考えてみよう」という2種類の問いで構成し、8〜12時間分の授業に対応する。
同教材は、抽選制で1校最大300冊までの配布を予定している。第1期の募集は6月30日(月)締切で、第2期の締切は7月31日(木)までとなっている。対象は全国の高校および専門学校で、公立・私立を問わず応募が可能だ。
教材開発を担当した同団体の原田真衣奈氏は、「さまざまな事物に触れて教養を深めることが、高校生の将来を豊かにする」と語り、代表理事の森 俊介氏は、「これからを生きる若者がより輝ける場を作り続けたい。今回の取り組みがそのきっかけになることを期待している」とコメントしている。