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EDIX東京、PCメーカー6社をチェック AI・校務DX・不登校支援まで
―「EDIX東京2026」レポート⑬
2026年5月25日 06:30
5月13日から15日かけて開催された「第17回 EDIX(教育総合展)東京」では、今年もPCメーカー各社が大型ブースを構え、多くの来場者でにぎわった。GIGAスクール構想の端末更新も一段落した時期にあたり、会場では教員の働き方改革を支える校務用PCや、生成AI活用を見据えたハイスペックPC、さらにはAIサーバーの展示が目立っていた。
本稿では、出展各社の中から、レノボ・ジャパン、日本HP、ASUS JAPAN、Dynabook、NECパーソナルコンピュータ、マウスコンピューターの6社のブースをレポートする。
Lenovo:GIGA第2期もシェアNo.1、次はメタバースで不登校支援に注力
レノボ・ジャパンは「すべては子どもたちのために Smarter Technology for All Students」を掲げ、GIGAスクール構想第2期においても、Chrome OSとWindows端末ともにPC出荷台数シェア第1位という実績をアピール、多彩なソリューションを展開した。
そんなレノボが次なる教育ソリューションとして力を入れているのが、「 レノボ メタバース スクール(LMS) 」を活用した不登校支援の取り組みだ。近年は、不登校支援の中でも自宅から外出することが難しい児童生徒へのアプローチが課題となっており、居場所のひとつとしてメタバースへの関心が高まっている。LMSは、レノボPCを使っていなくても利用できるソリューションで、オンライン支援員も提供。ブースでは静岡県と富山市の事例を紹介していた。
PCでは教員用端末として、ビジネス現場で信頼の厚い ThinkPadシリーズ を展示。用途やサイズで複数シリーズがあるが、今回の注目を集めていたのが青いThinkPadだ。ThinkPadといえば基本的に黒で、過去には黒以外のカラーもあったが、ブルーは初めて。
ほかにも、高性能ワークステーション「 ThinkStation 」も展示。AI開発や3DCG制作、動画編集、CADといった高度な処理を必要とする学習・研究用途を想定したもので、高校や大学、専門学校などでの利用を提案した。
Chromebookのなかでも高性能プロセッサを搭載した「 Chromebook Plus 」は主に教員用として展示。児童生徒用のChromebookより画面サイズも大きく重量もあるが、処理性能を優先し、高度な学びを支える仕様となっている。校務用途では、OSの制約から一部アプリが利用できないという課題もあるが、利用するサービスのクラウド化が進めば、こうした問題は解消されていくという。また、クラウド利用が前提となれば、常にPCを持ち歩く必要もなくなってくるため、重量のあるChromebook Plusシリーズでも十分に活用できるのではないか、と説明員は話していた。
日本HP:ローカルLLM環境を実現する超小型AIスパコンを展示
日本HPの展示で今年の注目製品は、ローカルLLM環境を実現する超小型AIスーパーコンピューター「 HP ZGX Nano AI Station 」だ。教育現場では、生成AIを授業や校務に活用したい一方で、児童生徒の個人情報や成績データをクラウド上のAIサービスに送信できないという課題がある。そうした中、校内でローカルLLM環境を構築できるAIスーパーコンピューターへの関心が高まっている。
展示されたHP ZGX Nano AI Stationは、NVIDIAの「DGX Spark」をベースにした手のひらサイズの筐体ながら、最大2,000億パラメータ規模のモデルをローカル環境で実行可能。生成AIの活用が進むDXハイスクールなどに向けた製品として提案していた。
また、ハイスペックPCのラインアップも拡充し、校務の負荷軽減を支える環境を整えるとともに、HPは通信機能対応のノートPCに力を入れている。注目は、今年4月後半にリリースされた新製品のChromebook Plus「 HP Elite 6 G2i 14 inch Chromebook Plus 」。モバイルの5G通信対応モデルで、Windows機と筐体を共通化し、ケースや充電器などのアクセサリーを併用可能にするという、管理側の負担を軽減する工夫が見られた。また、付属のACアダプターもコンパクトタイプとした。
話題の一体型PC「 HP EliteBoard G1a Next Gen AI PC 」は、一見、コンパクトな薄型キーボードにしか見えないが、このなかに高性能CPUなどが入っているれっきとしたPC。しかもRyzen AIを搭載して、このサイズながらCopilot+ PCを実現している。PD対応のモニターとの接続ならたった1本のUSBケーブルを接続するだけで電源供給もモニター出力を担うことができ、職員室のデスクスペースに限りのある先生にもメリットが大きい。
ASUS:画面が大きく、使い勝手が進化した12.1型2-in-1 Chromebook
ASUS JAPANの注目は、こちらもローカルLLM環境を実現する超小型AIスパコン「 Ascent GX10 」だ。同製品については、すでに こちらの記事 で紹介しているので参照されたい。
さらに、10.5型から進化した12.1型デタッチャブルChromebook「 ASUS Chromebook CM32 Detachable 」を展示。画面サイズが大きくなったことで作業領域が広がり、より使いやすくなった。また、附属ペンも丸みを帯びた形状に刷新され、パソコンケース背面にはペン収納スペースも搭載。キートップが外れにくい構造を採用するなど細かな改良が加えられている。
ブースでは、児童生徒用端末の堅牢性もアピール。実際に120cmの高さからPCを落とし、問題なく動作していることを試していた。落とした音は大きく、ブースを通りかかった来場者も思わず足を止めて注目してしまう。もちろん、落とした後も、正常に動作している。
ほかにも、ブースでは校務用のPCから、ゲーミングPCまで幅広いラインアップが並んだ。校務用では、Copilot+ PC対応の「 ASUS ExpertBook P5 」を展示。そして、高性能CPUを搭載した教員向けChromebook Plusも複数展示した。ASUSといえば高性能なマザーボードやグラフィックボードを長く手掛けるPCパーツメーカーでもあり、そのノウハウを活かしたASUSのゲーミングブランド「 ROG 」の展示もあった。
Dynabook:校務PCからXRグラス、リサイクルまで幅広い提案
Dynabookは、児童生徒用PCの展示とともに、教員の「働き方改革」を支える校務用端末のラインナップを取りそろえた。なかでもCopilot+ PCのモバイルノートPC「 dynabook X83 」は、セルフ交換バッテリー仕様を採用。PCを使い込むうちに避けられない内蔵バッテリーの劣化に対して、修理に出すことなく自分で交換できることが特徴だ。軽さも1kg未満として、持ち運び性能も高くなっている。
合わせて、最新の児童生徒用端末も展示。Windows機とChromebookの両方を展開しているが、Chromebookでは最近加わった画面が11.6型タイプ「 Dynabook Chromebook C11 」と、以前からある10.1型を展示、11.6型は画面は外れない2in1コンバーチブルノートとなっている。 また、10.1型では、ハンドル付きハードケースを用意、校外学習をする際にも持ち運びしやすくなる。また、ストラップが児童生徒の首に絡まる危険性があるが、万一の際に大きな力を加えるとストラップが外れる構造として、児童生徒が安全に使えるようにしている。
また、透過型XRグラス「 dynaEdge XR1 」は、装着すると視界の中にディスプレイが浮かび上がり、デジタルマニュアルを参照しながら両手で作業をするといったことが可能になる。教育現場でも、工業系の実習で手順書を確認しながら機械を操作するなど、ハンズフリーならではの使い方ができそうだ。
さらに展示では、PCの提案にとどまらず、使用済みPCのリサイクルについても紹介していた。GIGAスクール端末をはじめとするタブレット端末を回収して資源化する仕組みを示し、導入から処分までを一気通貫でサポートする体制をアピールしていた。
NECパーソナルコンピュータ:教員向けAI PCと、鉛筆と共存するChromebookを提案
NECパーソナルコンピュータは、校務DXとGIGAスクール第2期を支える戦略的モデルを展示した。メインは教員用ノートPC「 VersaPro UltraLite タイプVY〈VY-R〉 」で、教室と職員室を頻繁に行き来する教員の働き方を想定し、1kg未満という軽さとAI制御の「ロングバッテリーモード」により実働16時間というロングバッテリー駆動を両立させた。
Copilot+ PCに準拠してローカルでAIが使えるとともに、NEC独自のAIソリューション「 AI Plus Biz 」を搭載。PCトラブルの解決策を提案するなど、日常のPC作業を支援する仕組みを備えている。軽量かつ長時間駆動という基本性能の高さに、こうしたAIによる業務支援が加わることで、教員の日々の校務をよりインテリジェントに後押しすることができる。
学習用端末としては、「 Chromebook Y4 」を提案。鉛筆でペンの代用、鉛筆をキーボード上に置いたまま画面を閉じても壊れないこと、横に置いた鉛筆の先がUSBポートに刺さりにくいデザインといった点を実際に試すことができた。
マウスコンピューター:充実した高性能PCと校務DXにつながるディスプレイ
国産PCメーカーのマウスコンピューターは、昨年よりも展示スペースを大きく拡充して出展した。ブース前面には児童生徒用端末を展示したほか、教員向け端末や、DXハイスクールに対応する高性能PC、ディスプレイなど、Windows端末を軸とした機種が並んだ。
教員用端末では、Copilot+ PCを前面に出し校務DXを支えるマシンとして提案。また、マウスコンピューターはディスプレイも展開していることから、ノートPCに外部ディスプレイを追加したマルチモニターの提案も行なっていた。展示されていた23.8型ディスプレイ「 ProLite XUB2497HSN 」は電源供給機能もあり、Type-Cケーブル1本でノートPCへの電源供給と映像出力の配線が可能だ。
なお、文部科学省が示す「学校のICT環境整備3カ年計画」においても、教員1人1台の業務用ディスプレイの整備が掲げられている。そのことから、マルチモニターによる作業は教員の業務改善や効率化につながることを知ってもらいたいと担当者は話していた。
そのほかに同社が力を入れているのが、DXハイスクールや高等教育機関などを対象にしたハイスペックPCだ。映像編集や音楽制作、データ分析やAI開発といった専門的な学びでは、扱うデータも重く、一般的な教育用PCを超える処理能力が求められる。ブースでは、GPU搭載の「 DAIV 」シリーズやゲーミングPCが展示。高性能に加え、複雑な処理を安定してこなす能力があり、まさに高度な教育ニーズに応えるものとなっている。
今回の展示を通じて見えてきたのは、児童生徒の学びを支える端末はもちろん、教員の働き方改革を後押しする校務PCの存在が目立っていたことだ。また、AI活用やマルチモニター、リサイクルや不登校など、PC活用の提案も幅が広がっており、PCメーカーが教育現場に寄り添う姿勢が伺えた。
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