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N-E.X.T.ハイスクール構想で進む遠隔授業、HP Polyが支える普段の授業
2026年7月8日 06:30
地方や離島の高校では生徒数の減少に伴い、教員の配置がむずかしくなっている。特に、数学II・IIIや物理、化学など高度な専門性が求められる科目では、指導できる教員の確保が課題だ。開講できる授業が減ると生徒の選択肢も制限されてしまい、教育の質にも影響を与えかねない。
こうした課題に対する施策として文部科学省は現在、高等学校教育改革の「 N-E.X.T.ハイスクール構想 」を進めている。この構想では、遠隔授業による教育機会の確保も重要視されており、今後、様々な地域で環境整備が進められていく段階だ。
日本HPは、遠隔授業を支えるソリューションとして、 高機能な遠隔会議システム「HP Poly Studio X シリーズ」 を提案。どのような遠隔授業が実現できるのか、実際に体験しながら担当者に話を聞いた。
なぜ遠隔授業が必要なのか、教育現場が直面する深刻な課題
遠隔授業といえば、これまでは「生徒が移動せずに授業を受けられる」「離れた場所から講義に参加できる」といった利便性が注目されてきた。ところが、日本HPの是枝日登志氏によると、現在は教育体制を維持するための「生命線」としての側面が強まっているという。
背景にあるのは、生徒数の減少に伴う教員配置の難しさだ。特に地方や離島では、高度な専門教科を指導できる教員を各学校に配置することが難しい。また、1人の教員が複数の学校を掛け持ちする方法もあるが、それにも限界がある。地域によっては移動時間を要するケースもあり、教員による巡回指導は大きな負担となる。
そうした中、有効手段のひとつとして進められているのが遠隔授業だ。先進的な自治体では、 遠隔授業専用の配信センターを設置 し、1人の教員が複数校の生徒に授業を届ける仕組みを整えている。また、不登校の生徒や病気療養中の生徒、災害や気候の影響で登校が困難な生徒に対しても、学びを継続するためのセーフティネットが求められており、その手段としても注目されているという。
普段の授業をそのまま遠隔で届ける「HP Poly Studio X シリーズ」
こうした遠隔授業を支えるソリューションとして、日本HPが提案するのが「HP Poly Studio X シリーズ」だ。カメラやマイク、スピーカー、管理ソフトウェアなどを組み合わせることで、専門的なIT知識がなくても、日常の授業に導入しやすい「シンプルさ」と「高品質」を両立したシステムとなっている。
特徴は、 先生が授業スタイルを大きく変えずに使えること だ。遠隔授業のために特別なスライドを用意したり、カメラ操作を意識したりする必要はない。教室で黒板を使いながら授業を進める様子を、AIが自動で捉え、離れた教室にいる生徒にも臨場感のある映像として届けられる。
また、 PC不要で使える のもメリットだ。OSを内蔵しており、Zoom RoomsやMicrosoft Teams Roomsとして動作するので、PCなしでZoom, Microsoft Teams会議に参加できる。先生は教室に入り、タッチパネルのボタンを操作するだけで遠隔授業を始められるため、授業前の接続トラブルや機器設定の負担を減らせる。
さらに、HP Poly Studio X シリーズは単なるビデオ会議システムにとどまらない。AIによるカメラ制御で、先生の動きを追いかけるとともに、周囲の雑音をカットして先生の声を明瞭に届ける。授業を受ける生徒の教室にもカメラやマイクを設置することで、先生は離れた場所にいる生徒の反応も確認しながら授業を進めることが可能。特別な準備は不要で、先生がこれまで通り黒板を使って授業を進めるスタイルが、離れた教室の生徒にも臨場感を持って届けられる。
なお、Xシリーズには小規模な教室から大規模な講堂まで対応できるよう、Studio X32、X52、X72といった複数のモデルが用意されている。
AIが先生の動きや板書を追い、授業の臨場感を高める
遠隔授業で課題になりやすいのが、教室で起きていることをどこまで自然に届けられるかだ。黒板全体を固定カメラで映すだけでは、先生がどこを説明しているのか、生徒に伝わりにくい場面もある。
HP Poly Studio X シリーズには、AIが先生の姿を認識し、 自動でカメラを制御するプレゼンタートラッキング機能 がある。先生が黒板の前を歩き回っても、あたかもカメラマンが操作しているかのように自動でスムーズに追従する。特定の範囲内に先生が入ると自動でキャプチャを開始し、範囲外に出ると全画面に戻る設定もできる。
また、Zoomなど2画面配信に対応したプラットフォームを使えば、先生の動きと黒板の映像を同時に表示することもできる。先生が説明している様子と、黒板に書かれた内容を分けて見せられるため、離れた教室にいる生徒も授業の流れを追いやすくなる。
実際にトラッキングの様子を見ると、カメラ操作のスタッフがいて先生の姿や板書を追いかけているのと変わらない映像が映されている。全体を映しているだけの遠隔授業と違い、見たいところに適切にズームインしていることが分かる。
ハンドマイク不要。AIで雑音を抑え、先生の声を明瞭に届ける
遠隔授業では、映像だけでなく音声の聞き取りやすさも重要になる。教室では、紙をめくる音や机に物を置く音、周囲の話し声など、さまざまな音が発生する。こうした雑音まで拾ってしまうと、離れた教室で授業を受ける生徒にとっては、先生の声が聞き取りにくくなり、集中を妨げる要因にもなる。
HP Polyでは、Xシリーズに内蔵されたマイクに加え、机上に置く「 Poly Studio A2 」も利用できる。Poly Studio A2は、半径4.3mの範囲をカバーし、先生が教室内を歩きまわっても、 ハンドマイクやピンマイクを使わずにクリアな音声を拾える 。マイクの扱いに慣れていない先生でも、普段の授業に近い感覚で進められる点は大きい。
さらに、Poly Studio A2マイクとビームフォーミング技術により、周囲が多少騒がしくても先生の声を明瞭に届けられる。机上に置くマイクの場合、資料を置いたときの紙と机が擦れる音や、物を置いたときの衝撃音、机を叩く音などを拾ってしまうことがある。声が小さい先生の場合、そもそも声が十分に届かないという課題もある。
こうした雑音を抑えるのが、「 Poly NoiseBlock AI 」だ。デモでは、楽器のマラカスを振って雑音カットの効果を示してもらったが、マラカスのシャカシャカという音はほとんど届かず、話している先生の声だけが明瞭に聞こえる。
これまでの遠隔授業では、ガサガサ、コンコンといった雑音まで配信されがちで、先生の声を明瞭に届けるには、マイクの扱いにも一定のスキルが求められていた。しかしPolyの音声伝達機能によって、先生はマイクの位置や雑音を過度に気にすることなく、いつもどおりに話すだけで、離れた教室の生徒にも授業を届けられる。
サポートも充実、設定トラブルや故障時にもスムーズに対応
高機能なPolyだが、高機能となるとどうしても設定項目が多くなり、何かの拍子に設定が変わってしまうと授業ができないという事態になりかねない。そこで、HPでは授業を止めないためのサポート体制も用意している。
そのひとつが、管理ソリューションの「 Poly Lens 」だ。Webブラウザ上から各デバイスの動作状態を確認でき、マイクの不調なども把握できるという。設定についてもリモートで元に戻すことができるため、管理者が学校に常駐していない場合でも、 現地に赴く必要なく解決できる 。
現在の管理対象は、Polyシリーズ内での対応だが、今後は、HPが提供する管理プラットフォーム「 WXP (Hp Workforce Experience Platform) 」に統合され、PCやプリンター、ヘッドセット、ビデオバー等統合管理サービスプラットフォームを提供する予定となっている。
故障のサポートとしては「 Poly+(ポリープラス) 」という保証パッケージが用意されている。遠隔操作やサポートとのやりとりで故障と判断された場合、故障機器を送る前に代替機が届けられるため、授業が止まる時間を最小限に抑えられる。
先生にも生徒にも無理のない遠隔授業を目指す
Polyを活用した遠隔授業は、島根県を始め、県単位で導入がすすんでいるという。島根県では、数学の先生が不足している学校に対し、配信センターから授業を実施。現在は週7時間の授業が遠隔で行われており、生徒が必要な科目を履修できる体制を整えている。さらに同県では、大学教員を招いた特別授業にも取り組んでおり、不足する科目を補うだけでなく、遠隔授業だからこそ実現できる、より専門性の高い学びにも活用が広がっている。
日本HPの是枝氏は「今までと全く同じ授業を円滑に配信できるところが、いちばんシンプルで、かつ先生にも優しい」とHP Poly Studio X シリーズのメリットを語る。現場での対応も、導入してすぐ使えるところを目指しているという。
そのためには臨場感と没入感による教室の再現は重要で、このシステムで最も自信を持っているのは「先生の言葉がちゃんと聞こえること」だと話す。これは是枝氏がいろいろな先生に話を聞く中で、先生が遠隔授業で最も重要視することは、いかに先生と生徒が自然にコミュニケーションが取れる環境を作ることができるかとわかったため、最重要課題と認識しているという。
また、通常の遠隔授業のほかに不登校支援における活用にも力を入れていきたい考えだ。日本HPでは、「当社のソリューションにより、どのような状況下でも生徒が平等に教育が受けられるような、誰一人取り残さない教育環境を実現したい。AI技術は”黒子”として、先生と生徒が授業に集中できる環境を提供していく」としている。








































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