ニュース
旺文社から高校生に課題「辞書や参考書の商品価値をアップするには」、企業連携型の探究学習に協力
2024年11月11日 17:00
株式会社旺文社は、2024年4月から9月にかけ、東京都立晴海総合高等学校の3年生が取り組んだ探究学習に協力した。
同校では、3年次に実施する「探究Ⅱ」において、実社会の課題解決に協働して取り組み、社会への関心を高め他者理解を深める目標を掲げている。旺文社は、連携企業の1つとして参画し、2024年4月より継続的な授業協力を実施している。
同社は、高校生たちに「"分厚い本"の内容を学ぶ人により役立てるには?」という探究課題を提示。同社が提供する辞書や辞典、入試過去問題集、進路・入試情報といった網羅的で大量のコンテンツに関し、令和の時代に合わせて商品価値をアップデートする方法を問いかけた。
探究授業では、約40名の生徒が8つのチームに分かれて課題解決に向けたアイデアを出し合い、仮説を立て、リサーチや実験を行いながら、現代の多様な学習ニーズに応える書籍や雑誌の考察を重ねた。生徒たちは同社にアイデアを提案し、ディスカッションを重ねながら、それぞれの解決策を模索した。
授業期間中、旺文社の社員が特別講演を行い、出版社の仕事やビジネス展開を紹介した。生徒たちからは「参考書がどのように作られているかを知ることで愛着が湧いた」「探究課題の解決アイデアを考えるヒントとなった」といった感想が寄せられたという。
9月21日には、同校で実施した学園祭のプログラムの一環として、各チームが探究成果を発表。発表では「辞書のコンテンツを活用したボードゲームの制作」「集中力を高める香り付き書籍の企画」「書籍を利用できる共同学習スペースの運営」など、ユニークなアイデアが披露された。
生徒たちはアイデアを形にする難しさを体感すると同時に、企業の課題解決に挑むプロセスの中で学びを深めた。
授業を通じて生徒たちが得た知見や感想には、「自分たちが普段利用している教材を、作り手として見つめ直す新鮮さを感じた」「企業課題に対するアイデアを出すことで責任感と楽しさを覚えた」などが挙げられる。また、課題解決の視点から「商品そのものでなく、商品を利用する環境をどう整えるか」という新たな観点にも気付くことができたという。
同社は、授業協力で得たフィードバックを生かし、さらに学びを支える書籍や学習サービスを充実させていく考えを示している。