ニュース
AI時代に求められる思考力育成へ、ブリタニカが高校向け探究教材をリリース
2025年5月14日 08:30
ブリタニカ・ジャパン株式会社は、高等学校での探究学習に特化した新教材「ブリタニカ探究総合パック」の提供を2025年7月より開始する。AI時代において重要性を増す「知識の活用力」と「問いを生み出す力」の育成を支援する。
OECD(経済協力開発機構)は、21世紀における「知識」を蓄積・伝達される静的な情報ではなく、「文脈に応じて活用される動的なリソース」と定義付けている。この変化に対応するためには、教えられた内容を覚えるだけでなく、知識の意味を理解し、自ら発見する姿勢が重要となる。AIの発展により情報の収集・整理は容易になったが、分析的思考力や創造的思考力に加え、問いを立てる力がより求められるという。
同教材は、ブリタニカが蓄積した信頼性の高い情報を活用し、生徒が自ら問いを立て、情報を整理・活用しながら学習を進めるプロセスを支援。質の高い情報源に加え、探究学習の各ステップを導くガイドやワークシートなどのツールを提供し、探究学習に不慣れな生徒や教員も安心して利用できる環境を提供する。
ブリタニカ探究総合パックの特徴は、以下の通り。
- 「情報」「環境」「災害」「国際協力」「人権」「医療」から探究テーマを選択可能
- 生徒の興味・関心に基づいたテーマ選択が可能
- 基本課題に加え、各自で設定した課題にも取り組める
- 探究のサイクル「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」まとめ・「表現」を5コマで実践
- 選べる2コマや時数設定の提案で学校ごとのカリキュラムに合わせた柔軟な展開が可能
- 学習時に「探究のカギ」や「テーマ別ガイド」からブリタニカのデータベース「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」にアクセス可能
- 質の高い情報に基づいた深い探究活動を実現
生徒用教材には、探究のカギ(テーマ別)・レッスンスライド(全テーマ共通)・テーマ別ガイド・ワークシート(テーマ別・一部共通)・その他(動画・画像・関連ツール)を用意している。
教員用教材には、指導案と指導のヒント(全テーマ共通)・評価ツール(全テーマ共通)を提供する。
リリースに寄せて、ブリタニカ・ジャパン コンテンツ開発部ディレクターの青木氏は、「信頼できる情報源と『探究学習の型』をセットで提供することで、学習者が自ら問いを立て、調べ・考え・表現する力の育成を目指す」とコメント。探究学習を通じて、生徒一人ひとりが「考えること」の面白さを実感し、自律的な学習基盤を築くことを期待しているという。
さらに、教育現場からの声として、早稲田大阪高等学校 早稲田コース長 米田謙三先生は、「探究学習においてテーマ設定の浅さや調べ学習で終わってしまうといった課題が多い」と指摘。ブリタニカ探究総合パックは、正確な情報と探究プロセスに沿った教材で、生徒の主体的な深堀りを支援し、教師の指導負担も軽減すると評価した。
また、早稲田実業学校 初中高連携担当 竹林和彦先生は、「探究学習においては生徒のアウトプットに向き合う時間が重要」と述べる。ブリタニカ探究総合パックは、信頼できる知識と評価支援により探究学習の手法習得を助けるとして、教材づくりの基盤となることにも期待を寄せている。