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みんなのコード、小中高の情報教育における体系的な「カリキュラムモデル案」を発表

「小・中・高等学校における情報教育の体系的な学習を目指したカリキュラムモデル案」を発表

特定非営利活動法人みんなのコードは、「小・中・高等学校における情報教育の体系的な学習を目指したカリキュラムモデル案」(以下、カリキュラムモデル案)を発表し、資料共有サイト「Speaker Deck」に公開した。

みんなのコードが2024年3月に発表した「小・中・高等学校における情報教育の体系的な学習を目指したカリキュラムモデル基本方針」(以下、基本方針)をより発展・具体化したもの。次世代の情報教育の在り方を議論できるよう、以下の2点を新たに作成した。

  • 第2章 各学校段階のカリキュラムモデル:各学校段階での情報教育の目標、情報教育の6領域ごとの内容などについて提示
  • 資質・能力系統表:小学校(低・中・高学年)・中学校・高校ごとに、情報教育の6領域それぞれについて、資質・能力の3つの柱で整理

カリキュラムモデル案の狙いは、各学校・学年段階で6領域にそれぞれ取り組み、らせん的に資質・能力を発展させていくこと。そのため、各学校段階で分けて考えず、12カ年の継続した情報教育の全体像を捉えるための資料として、資質・能力系統表を公表した。

継続的に情報を学ぶ時間と、表現や創造的な学びを学ぶ時間の確保がポイント

なお、学習内容のほか育成を目指す資質・能力は、各学校・学年の実態などに合わせて柔軟に変化していくことが求められる。本資質・能力系統表も、各学校がカリキュラムを作る際の参考となることを想定している。

背景として、みんなのコードでは、情報活用能力の重要性の高まりを受け、変化が起き始めていると説明している。具体例として、2024年6月21日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2024」において、イノベーション人材の育成を実現するため「初等中等教育段階における探究的・文理横断的・実践的な学びの推進や理数系教育の推進、情報教育の強化・充実」が提起されたことを挙げている。

また、一般社団法人 新経済連盟や一般社団法人 日本産業技術教育学会による提言・声明の中でも、情報教育の時間数増や小・中・高等学校におけるテクノロジーに関する教育の充実が言及されていることにも触れている。

なお、カリキュラムモデル案作成の取り組みについては、公益財団法人日本財団より「公教育における情報教育の発展と共創による地域格差の是正」プロジェクトとして助成を受けている。

カリキュラムモデル案の構成は以下の通り。

第1章 カリキュラムモデルの基本方針

  • 第1節 時代性・子供たちの認識と多様性の実現
  • 第2節 学習の基盤としての情報活用能力
  • 第3節 継続的に情報を学ぶ
  • 第4節 体系的に学ぶ
  • 第5節 学習方法の改革

第2章 各学校段階のカリキュラムモデル

  • 第1節 小学校 「情報を学ぶ時間」
  • 第2節 中学校 技術・情報科「情報分野」
  • 第3節 高等学校 共通教科情報科「情報 I 」相当科目

補足資料

  • 資質・能力系統表案
  • 授業事例