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第2回インクルーシブ教育教材コンテスト、最優秀賞が決定
2025年3月4日 08:30
全日本学校教材教具協同組合(JKK)と筑波大学附属大塚特別支援学校は、2025年2月21日に「第2回インクルーシブ教育教材コンテスト」を開催した。同イベントでは、最終審査で制作者が想いのこもったプレゼンテーションを行い、最優秀賞が決定した。
コンテストのテーマは、「あの子の教材をみんなの教材に」。最優秀賞に輝いたのは、札幌市立手稲鉄北小学校の小林涼介先生が制作した「ぴったり10カード」だ。繰り上がりのある足し算や繰り下がりのある引き算を計算する子供向けの教材で、遊びながら10になる数の組み合わせを理解できるよう工夫されている。
優秀賞の「就学前の部」には、絵の一部から全体像を推察し、イメージを膨らませながら頭で思い描いていたものと実際の絵との違いを楽しむ「いじわるクイズ」(愛知教育大学附属幼稚園 近久あゆみ先生)、「小学生(発達障害)の部」には、三角定規を使った作図が苦手という子供向けに作成した「作図マスター三角定規」(浜松市立赤佐小学校 中村恭子先生)が選ばれている。
優秀賞の「中学生の部」では、能登半島地震をきっかけとして作成した「オリジナル防災バッグを作ろう」(京都市立西総合支援学校 竹田一哉先生)、「高校生の部」には、適切な金銭管理方法を理解し、正しい金銭感覚を身に付けるための学習ツール「やりくりシミュレーションシート」(高知県立中村特別支援学校 北村三枝先生)、「福祉・一般の部」は「文クル」(村井千晴氏)が選出された。
また、特別賞として「楽しく学ぶおせち料理」(福田和実氏)、「促音・拗音遊びカード」(石巻市立鹿妻小学校 三浦文恵先生)、「きょうはしんでんずけんさ」(香川県立聴覚支援学校 上城あずさ先生)が受賞した。
そのほか、オーディエンス賞には「就学前の部」で優秀賞を受賞した近久あゆみ先生が選ばれている。
なお、2025年8月に「第3回インクルーシブ教育教材コンテスト」が開催される予定だ。参加対象者は、保育園・幼稚園・小中高等学校・大学・特別支援学校に勤務している教員と非常勤支援員、放課後等デイサービスや社会福祉施設関係者、保護者・学生となっている。
JKKは、2025年4月に発刊する『inCLumインクルーシブ教育教材カタログ』に第1回コンテストで製品化された5点を掲載。多くの子供たちに教材が利用されることを期待している。