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小学校教諭と共同開発!読みやすさを追求した分度器が登場
2025年7月10日 08:30
新潟県三条市で測定工具やDIY製品を開発・販売する新潟精機株式会社は、小学校教諭の井上賞子氏と共同開発した新しい分度器2種を発売した。同製品は、定規が苦手な子供たちに向けた工夫が随所に盛り込まれている。
同社は、線を引くときの開始位置が決めやすい凹型形状の「0基点定規」を2021年に発売し、保護者から大きな反響を得ている。「直線を引くのが苦手だった子が『引き始めがわかるからちゃんと引けた!』」といった声が同社に寄せられ、子供たちの力を引き出すには「子供たちに合わせた『新しい定規』を作ることだ」という結論にたどり着いたという。
今回同社が開発したのは、「両面分度器 快段目盛 SCP-90DKD」と「両面全円分度器 快段目盛 FCP-90DKD」の2製品である。
最大の特徴は独自の「快段目盛」仕様で、階段状に配置した目盛が視認性を高め、目盛の長さが「短→長になる方向」と角度が「小→大になる方向」を統一した設計により、角度を視覚的に読み取りやすくした。
また、分度器の表面をピンク色、裏面は水色で数字を色分けし、読み取る際のわかりにくさを軽減。表と裏で目盛を使い分けることで、数字の向きが一方向になることで読み間違いを防ぐほか、「水色の面を使う」というように教員や保護者が説明しやすい。
基線(0°)を合わせやすくする工夫として、両面分度器は本体の下部に段差を設けた。一方、両面全円分度器は基線が赤く、中心に穴があるため筆記用具の先端を挿して0°を合わせることも可能だ。
開発に協力した井上氏をはじめとする教員と保護者は、みんなと同じ方法で学びにくい子供たちのために、これまでは市販品を工夫して使用していた。「分度器を使うことが苦手な子供が、授業で自信を持って学べるようにしたい」「教員や保護者が特別な工夫をせずとも使いやすい教材を提供したい」という思いを形にしたのが今回の製品であるという。
同社は、定規でつまづいて授業を進めなくなる子供たちを減らすため、「特別なもの」ではなく、「当たり前に選べる選択肢」として、誰でも手に取れる商品を目指して開発を続けていく方針だ。