レポート

製品・サービス

エンタメよりも学習タイムを優先できる、Amazon Fireタブレットで家庭学習が充実

ゲーム感覚で学べる学習系アプリと豊富なジャンルの児童書が魅力

「Amazon Fire HD 10 キッズプロ」をレビュー

保護者にとって、家庭でのタブレット利用や動画視聴のルールづくりは、子育ての大きな悩み事の1つではないだろうか。ちなみに、小学4年生と年長の兄弟がいるわが家の基本ルールは以下の通り。

・タブレットを開くのは、やるべきことを終えてから
(やるべきことは、朝の支度や宿題、学校の準備など)
・ゲームとタブレットでの動画視聴は、それぞれ1時間まで

夏休み中は上記のルールに加えて、「毎朝10時から1時間は、必ず学校の宿題か自由学習をする」がお約束になっている。

しかし、現状は兄弟ともに、目覚めるとすぐタブレットを開き、好きなアニメを観るモーニングルーティーンが定着しつつある。気づけば2時間、3時間経っていた…そんなことも少なくない。

この状況を変えるために、何かいい方法はないか…と思っていたら、「Amazon Fire HD 10 キッズプロ」(以下、Fire HD 10 キッズプロ)にこうした課題を物理的に解決してくれる機能があることを知った。また学習に役立つコンテンツも豊富なようだ。早速使ってみた様子をレビューしたい。


専用ケース付きで安心! 大画面のFire HD 10 キッズプロ

機能やコンテンツを紹介する前に、タブレットの基本情報に触れておこう。

Fire HD 10 キッズプロ

Fire HD 10 キッズプロは、1920×1200ドットの解像度で10.1インチのフルHDディスプレイを搭載。32GBの内蔵ストレージを搭載し、別売りのmicroSDカードを利用すれば最大1TBまで拡張が可能だ。バッテリーの持続時間は最大13時間で、付属のアダプターを利用した場合、4時間程度で充電が可能。重量は約659gで、小学生でも問題なく持ち運びができる。

子供が使うときは堅牢性が気になるが、あらかじめスタンド付きのカバーがセットされているので安心だ。さらに、購入から2年間は保証が適応され、水濡れ破損・画面故障でも、2年間は無償で交換可能となっている。

「学習タイム」を優先できる機能に感動!

ペアレンタルコントロールは、利用時間や表示コンテンツを管理する機能だが、Amazon Fireキッズモデルは細かく設定できる機能が充実している。

起動して最初に行うのは、子供用プロフィールの作成。兄弟がいる場合は、1人ずつ分けて設定でき、タブで簡単に切り替えられるので便利

まず、1日の利用時間制限を平日と週末で設定できる。平日は20時半にはベッドに入ってほしいが、週末は少し遅くてもOK。だけど、朝はゆっくり寝てほしいなど家庭のリズムに応じて柔軟に設定できる。また、ベッドタイムに加えて、その日トータルで利用できる「合計利用時間」の設定も可能だ。

「1日の利用時間制限」の設定画面。平日と休日で、ベッドタイムや合計利用時間を分けて設定できる

そして次が本題。筆者が「これは良い!」と感動したのは、「学習タイム」を優先できる機能だ。[学習タイムを優先]をオンに設定すると、1日の学習目標をすべて達成するまで、エンターテインメントコンテンツを利用できない。ここでポイントとなるのが、単純に「使えない」のではなく、エンタメ系のアプリや動画そのものがタブレットに表示されないこと。「勉強が終わってから、アニメを観ようね」という声かけをする必要なく、朝の学習に誘導できる、親にとってお助け感が半端ない機能なのだ。

「学習タイムを優先」のタブをON/OFFで簡単に切り替え可能
学習タイム優先中は、タブレットに学習系のコンテンツのみが表示される

子供から「なんでポケモンが観られなくなってるの?」と不満の声が出そうではあるが、「お勉強系のアプリと本を読んだら、好きなものが観られるようになるよ」と伝えたところ、思いのほか素直に応じてくれた。

右上の時計のアイコンを表示すると、学習目標の達成時間が表示される

ちなみに、学習目標は「アプリの使用」「読書」「ビデオの視聴」の目標時間を個別に設定できる。例えば、小4の兄は漢字のアプリと歴史の本の読書に取り組んでほしいので、「アプリと読書を30分」。年長の弟は、まだ1人でスラスラ本を読めないので、「アプリと教育系動画を15分ずつ」といったように、年齢や学習内容に応じてアレンジできる。

スライドバーで、コンテンツごとの目標時間を変更可能

また、コンテンツ管理では、年齢フィルターを細かく設定可能。「Amazon ペアレントダッシュボード」では、[アクティビティ]で子供が最近開いたコンテンツ、過去7日間の使用時間やアプリ、本、ビデオなどのコンテンツごとに使用時間を確認できる。これを観ながら「今週はたくさん本が読めたね」とポジティブな声がけにもつながるなと思った。

コンテンツごとに使用時間を確認できる「Amazon ペアレントダッシュボード」
[アクティビティ]から、最近開いたコンテンツを確認できる


小学4年生には歴史マンガの豊富さがありがたい!

Fire HD 10 キッズプロを含めたAmazon Fireキッズモデルは、購入代金に「Amazon Kids+」1年間の利用料が含まれている。Amazon Kids+は、書籍をはじめ学習用アプリ、ゲーム、ビデオなど、数千点のコンテンツを利用できるサブスクリプションサービス。対象年齢は3歳から12歳で、わが家の兄弟にもピッタリだ。

アプリや学習系マンガ、児童書のほか、子供に人気の動画コンテンツを楽しめる

この豊富なコンテンツの中で、母が感動したのは、伝記マンガを始めとする歴史系書籍が充実していること。長男が小学4年生になってから学習の内容が難しくなるなか、来年から始まる歴史の授業にむけて「何か備えたい」と課題に感じていたからだ。学習マンガの伝記シリーズを買ってもいいけれど、一気にそろえると高額だし、長男が興味を持たないかもしれない…。

ほかにも、長男が大好きな「名探偵コナン歴史まんが」も1巻だけだが、読むことができる。子供が気に入るかわからないときでも、気軽に試せるのがうれしい。

もちろん、歴史以外にも絵本や児童書、プログラミングや工作、料理など豊富なラインナップがそろっている。長男の好きな「サバイバルシリーズ」や次男の好きな「最強王」図鑑シリーズ、そして母の好きな「ハリーポッター」シリーズは日本語と洋書が両方そろっていた。

大好きなシリーズがそろっていて、兄弟大喜び

Fire HD 10 キッズプロは、バッテリーの稼働時間が長いのも助かっている。子供と出かける際は、あらかじめmicroSDカードに何冊か書籍をダウンロードしておいて、電車移動時の読書に活用している。

苦手をカバーしながら、楽しく学べる学習アプリ

夏休みの宿題(ドリルが2冊も!)もあるし、1学期までに習った漢字のおさらいや、都道府県の暗記など、長期休暇だからこそ取り組んでほしい学習を挙げるとキリがない…。

そんななかアプリを勧めるのは気が引けたが、ここで後押しとなったのは、やはり「学習タイム優先」機能。「タブレットに触りたい! Robloxをやりたい!」という気持ちがモチベーションとなり、15分だけアプリの学習を頑張る。たった15分でも、その積み重ねが大事。いざ始めてみると、ゲーム感覚で学べるアプリが多く、子供が没頭する姿が見られた。

ここからは具体的に、小4男子がハマった学習系アプリを紹介しよう。

「地図エイリアン~都道府県を記憶せよ~」(ファンタムスティック株式会社)

「地図エイリアン~都道府県を記憶せよ~」(ファンタムスティック株式会社)

筆者はこれまで「学校で習う前に、自然と都道府県を覚えさせてあげたい」そう思い、すごろくやカードゲームを買っていろいろ試してきた。しかし、そこでたどり着いたのは「覚えることを目的にすると、子供は覚えない」という現実だった。

今回試したのは「地図エイリアン」。おすすめポイントは、「都道府県暗記ゲーム」ではなく、リズムに乗ってワードを記憶する「記憶力ゲーム」ということ。

挑戦したい地方を選ぶと、エイリアンがランダムに県名をコール。プレイヤーは、呼ばれた県をタップし、ターンを繰り返していく。「千葉」→「千葉・東京」→「千葉・東京・群馬」と順番に覚えることで、都道府県の場所が頭に入っていく仕組み。

ゲームで獲得したポイントに応じて、各県をモチーフにしたオリジナルキャラクター「マップん」のカードをGET。なかにはレアカードがあり、県の特色について学ぶことができる。

県を読み上げる「マップん」の声がかわいく、正解時のアクションもコミカル。子供の心をつかむゲーム性が魅力
オリジナルキャラクター「マップん」のカードを集めるのが楽しい

「漢字検定・漢検漢字トレーニングDX」(学校ネット株式会社)

「漢字検定・漢検漢字トレーニングDX」(学校ネット株式会社)

漢字学習で困るのは、書けない漢字を復習しようとしても、何年生で習う漢字なのかがわからないこと。そんな困り感があり、漢検を基準にして復習しようと決めたわが家。というのも、小学2年生までは漢検を毎年1回受験していたからだ。まずは、小3レベルの8級から取り組んでみた。

アプリでは、各級に「部首・部首名」「送り仮名」「対義語・類義語」「同音・同訓異字」「四字熟語」の5ジャンルで問題が構成されている。長男はとにかく書くことが苦手なので、隙間時間を見つけて「書き」に挑戦。

特徴的なのは、「書けない・わからない」ときの対処法だ。同アプリでは、わからないときに画面右上の[答え]をタップすると、書き順に沿って練習する画面が表示される。

画面にタッチペンで漢字を書き込んでいく。書いた文字が反応しない場合は、候補の中から漢字を選ぶ
正しい書き順で練習できる

今までは「ノートに3回ずつ書いてごらん」と声をかけていたが「そもそも書くことが苦手だから、それも苦なのだろうか」と思っていた。アプリなら、間違えてもすぐに消せるし、「書き」に対するハードルがかなり低くなる。

「中学入試 理科一問一答」(株式会社ワオ・コーポレーション)

「中学入試 理科一問一答」(株式会社ワオ・コーポレーション)

知育アプリ「ワオっち!」シリーズの、一問一答アプリ。

社会・漢字、と苦手な科目が続いたので、次は長男が好きな理科の復習に使えるアプリを選択。4年生の単元を復習できること、UIがカラフルで見やすい点が気に入った。

学習状況や「特訓」「苦手問題」がパッと目に入ってわかりやすい
正解数や起動回数で「トロフィー」を獲得できるオマケ要素も

昆虫好きで、理科が好きな4年生の長男。しかし、最近の授業は「電気の働き」や「星と星座」など、生き物以外の内容が増えてきた。得意不得意はまだわかっていないようだが、クイズ形式で気軽に取り組める「一問一答」は、長男の学習スタイルに合っていたようで、ソファに座ってリラックスしながら、「お、正解したね!」「わー、間違えた」と親子で楽しんでいる。

未就学児も夢中のおすすめアプリ

Amazon Kids+には、未就学児が楽しめるアプリも豊富だ。番外編として、6歳の弟が夢中になったアプリ「Phycics Drop」(WILLIWAW HUB)を紹介したい。

Phycics Dropは、図形を描いてボールをU字のゴールに導くゲーム。重力に従って動くボールと図形の働きを考えながら、画面に必要な線や図形を書き足していく。

直線が重力によってスロープ状に。ボールが飛んでほしくない方向に、あらかじめ壁を描くなど、工夫してプレイしていた
気づけば兄弟がくっついて、画面を凝視する熱中ぶり

兄弟いわく「どうすれば成功するかを考えて、うまくいったときの達成感が楽しい」。全部で150のステージがあり、シンプルながらも論理的な思考を鍛えてくれそうだ。

USGMOBI子供用タッチペン。3本も要るかな?と思いきや、母・兄・弟の専用ペンとして大活躍(Amazon販売サイトより)

ちなみに、Fire HD 10 キッズプロが家庭学習に使えるとわかり、新しいタッチペンを購入した。握りやすそうな六角形の太めのペン軸と、カラフルなデザインが気に入って、「USGMOBI子供用タッチペン」を選んだ。

ペン先がシリコン状になっていて、プニプニ柔らかい。画面にもしっかり反応した。交換用のパーツが6つ付いていて、取り付け方も簡単。ペンのキャップの部分(天冠)には星のマークが付いていて、これも可愛い。

弟は星型のマークがお気に入り

Amazon Prime Dayで見かけるたびに、気になっていたFire HD 10 キッズプロ。弟はともかく、長男はもう小学4年生だから「新しいタブレットは必要ないかな?」と思いきや、高学年に役立つコンテンツがとにかく充実していた。何より、一番は「学習タイム優先」機能。親が「動画は勉強してから!」と口酸っぱく言わなくても、自然と学習に向かう姿が見られるようになった。気軽に楽しめる家庭学習のパートナーとして、兄弟にはどんどん使い倒してもらいたい。

本多 恵

フリーライター/編集者。コンシューマーやアプリを中心としたゲーム雑誌・WEB、育児系メディアでの執筆経験を持つ。プライベートでは幼稚園児&小学生の母。親目線&ゲーマー視点でインクルーシブ教育やエデュテインメントを中心に教育ICTの分野に取り組んでいく。