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ゲームばかり…、子供がルールを守らないときはどうすればいい?すららネットの保護者向け講座で対策法を紹介

子供が自己コントロールできる褒め方を解説

すららネットが「ゲーム依存予防・対策/自発的に勉強する子の育て方講座」を実施

株式会社すららネットは、保護者向けに「心理学から紐解く ゲーム依存予防・対策/自発的に勉強する子の育て方講座」をオンラインで開催した。すららネット「子どもの発達支援室」の臨床心理士の道地真喜氏が登壇し、夏休み中に不安が高まるゲーム依存や、家庭学習に関する困りごとへの対策法を紹介した。

ゲーム依存になりやすい子供の特性とは?

ゲーム依存については、世界保健機構(WHO)が2019年に、ゲームのやりすぎで日常生活が困難になる状態を「ゲーム障害」として正式に国際疾病に認定している。

道地氏はゲーム依存の初期症状として、嫌なことを忘れるためにゲームをする、ゲームをするために睡眠や食事、または入浴時間を削る、ゲームを取られるとイライラしたり暴言を吐く状態を挙げた。そのうえで、「ゲーム依存予防は初期段階で対策が取れるかが重要で、子供の状態をよく観察することがお勧め」とアドバイスしている。

また、ネットやゲーム依存になりやすい子供の特性については、子供の性格や環境の変化が大きく関わってくる可能性が高いとコメント。実年齢より幼い、自己評価が低いといった性格・精神面や、親子間で話す機会が少ないといった環境面、ADHDやASDなど発達障害の有無も影響するという。

ネット・ゲーム依存になりやすい子供の特性(プレスリリースより)

子供がルールを守れない時は、自己コントロールを学ばせることが必要

同講座に参加した保護者からは、「子供がルールを守らない」といった悩みが多く寄せられた。道地氏は「親子関係が良好であることを前提としたルールの徹底と、守らなかった時の決まり事を設定しておくことが大切」と述べたうえで、ルールを設定しても子供が守れない場合は、ゲームをやらせないことではなく、自己コントロールを学ばせることが必要だと語っている。

子供に自己コントロールを学ばせる方法の1つとして、道地氏は「行動のABC」を紹介。「行動のABC」とは、「A:先行条件(~の時に)」、「B:行動(~したら)」、「C:結果(~だった)」の枠組みで考えるもので、Bの行動によって起きたCの結果によって、Bの行動が強まったり、なくなったりするというもの。

子供に自己コントロールを身に付けさせる「行動のABC」

これをゲームをする時のルールに当てはめると、A「ルールを伝えた」、B「ルールを守ったので」、C「ルールを守れて偉かった」と褒めて、次も安心してゲームができると伝えることで、Bの「ルールを守ること」が強化されることが望ましいとしている。

しかし、Bの「ルールを守らなかった時」に、Cの「ゲームを取り上げる」といった一時的なペナルティを与える場合は、注意が必要だという。この方法で効果があるのは、普段、子どもがよい行動をしている時に親が褒める関係性ができていることで、好ましくない行動を正すには、日ごろから褒める習慣をつけておくことが重要だと強調した。

その際、「どんな褒め言葉をかけたらいいか分からない」という保護者の悩みに対しては、「努力や過程を褒めるほかに、悪いことをした時でもポジティブに変換していくことが大切」と回答。例えば、子供が文句を言いながらも宿題をやり切った時は、「宿題を全部やり切ってえらいね」など、文句を言っていたことには触れずに、自分の意思で勉強をやり切ったことを褒めてほしいとアドバイスしている。

子供を褒めることで、勉強する行動を強化

子供が勉強に取り組む際は、“望ましくないことはスルー”して褒める

講座の後半では、「子供が勉強をしたがらない」という悩みを持つ保護者に向けて、「自発的に勉強する子の育て方」をテーマに、子どもの特性にあった勉強方法や褒めることの重要性を解説した。ゲーム依存と同様に、「行動のABC」に沿って説明。子供が学習に取り組んでいる時に重要な接し方は、保護者にとっては満足いかない結果だとしても、その中でよかった点を褒めることだという。

例えば、A「漢字の練習を始めた」、B「雑に終わらせようとしたが1文字だけでも丁寧にかけている文字があった」、C「丁寧に書けている字を褒めること」で子どものやる気を醸成する。ここで雑に終わらせたことを注意してしまうと、子供は「終わらせたのに怒られた」と思い、漢字の学習自体が嫌になってしまう可能性があると注意を促した。

大切なのは、プラスの面に注目した声がけ

講習のまとめでは、こうした褒めや声がけに加え、子供の特性に合わせた学習法を取り入れることも大切だと説明した。子供の学習に対する取り組みを見ている中で、子供の理解力や態度に違和感や不安があった場合は、子供の特性を知る検査を受けることもお勧めだとしている。

すららネットの「子どもの発達支援室」では、「KABC-Ⅱ」という知能検査を提供しており、検査結果から得意・不得意を発見、学習支援の方法や教材のアドバイスといった家庭学習支援を提案している。