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小3息子の自由研究、「ダンボール工作×プログラミング」に挑戦したら、この夏一番の体験ができた

息子の「来てよかった……」にお母さんもグッときたembot大展覧会

embotで初めて作った作品「コインを食べるワニ」
embotのプログラミング画面

小学生を持つ保護者にとって、夏休み最大の悩みといえば自由研究。ちなみに筆者親子は8月頭の沖縄旅行で「生き物研究」を計画するも、台風直撃で旅行自体がキャンセルに。「いよいよ困ったぞ…」という時に思いついたのが、ダンボールと電子工作キットでつくるプログラミングロボット「embot」のスターターキットだ。

これなら、工作好きの小3息子が楽しめるかもと初めて制作に挑戦。8月19日に実施されたコンテスト「embot大展覧会」にも参加できた。embotの制作や展覧会の様子をお届けする。

初めてでも本格的なプログラミングに挑戦できる「スターターキット」

embotはダンボールの工作とプログラミングを両方楽しめる、プログラミング教育用ロボット。付属のダンボールと身近な素材を組み合わせれば、オリジナルのロボットを作ることができる。スターターキットには、本体用ダンボール3枚のほか、動力となるembotコアが1個、サーボモーター2個と、ブザー1個、LEDライト2個、モーター用パーツが1式揃っている。

「embot」スターターキット
いざ、開封! 本体用ダンボール、embotコア、ブザー、LEDライト、サーボモーター、モーター用パーツ、説明書が同梱されている

embotの基本形は、クマの姿のダンボール製ロボット。サーボモーターで手を動かすほか、胸のLEDが光り、ブザーで音を鳴らすことができる。作り方は簡単で、ダンボールを印に沿ってくり抜き、折って差し込むだけ。かお、からだの順に組み立てたら、embotコアを入れ、モーターをつないでいく。クマの手の動きは、「よこむき」と「まえむき」の2パターンがあり、作りたい作品によって決める。

embotの基本形はクマ(公式サイトの組み立てマニュアルより)

今回は親子ともにembot初挑戦だったので、まずは基本のクマを作ってみた。ダンボールは簡単にくり抜けるので、息子はサポートがなくても、1人でサクサクと組み立てていた。

付属のマニュアルを見ながら、順調に組み立てていく。山折り、谷折りのマークがダンボールに付いていて、分かりやすい
配線する作業も楽しそう

今回は、「バイバイ」する横向きの動きではなく、縦に手を動かす「まえむき」をチョイス。かおとからだを組み立てたら、いよいよプログラミングに挑戦だ。embotのプログラミングは、専用のアプリを使って行うので、早速iPadにダウンロード。プログラミングはレベルが5段階で設定されていて、子供の習熟度によって選択できる。今回は初回なので、1つのファンクションを使ってロボットを動かす、レベル1からスタートした。

まずはembotコアとアプリをペアリングする
プログラミングのアプリ画面。フローチャート式とブロック連結式を組み合わせたタイプで、直感的に操作できる

続いてマニュアルを見ながら、基本的なプログラミングを確認していく。その際最初に注目したのは、「サーボモーターの角度と腕の動き」の関係について。よこむきの場合もまえむきの場合も、腕を真っ直ぐ上に挙げる際はサーボを90度に設定する必要がある。腕の向き=サーボモーターの動きは、「どういう作品を作りたいか」というテーマに直結するので、腕をよこむきに付け替えて「バイバイ」する動きをプログラミングするなど、色々と試してみた。

サーボモーターの角度と、腕の動き方を観察しながら作品のアイデアを練る(公式サイトのアプリマニュアルより)

スターターキットをベースに、オリジナルのワニ作りに挑戦!

embotではユーザーに向けたサイト「embotters」を用意しており、基本的なマニュアルから作品のアイデアを刺激する豊富な動画を公開している。動画では授業での活用例や様々なセンサーを用いた作品例など、幅広い遊び方を紹介している。

ユーザーズサイト「embotters」には作例を紹介する動画がいっぱい

息子に「こういうことができるんだ」というイメージを持ってほしかったので、embottersに掲載された動画を一緒に眺めていたところ、「ワニを作ってみたい!」というアイデアが浮かんだ。

せっかくなので、「ワニが口を開けたところにコインを入れて、貯金箱にしてみるのはどう?」と提案すると、「いいね!」と好反応。スターターキットのクマをベースに、ワニの顔を作ることからスタートした。

本来はクマの足だったパーツが、「ワニの目に似ている」ということで、クマのからだを倒してワニの顔に見立てることにした。

クマの足を、ワニの目に。LEDライトを目に仕込んで、コインを入れたら目が光る設計にした

工作のイメージがなんとなく固まったところで、いちばん大事な「ワニの口を開く」プログラミングについて考えた。マニュアルで確認したサーボの角度を参考に、口を閉じた状態を180度、直角に開けた状態を90度に設定してみる。その際、苦戦したのはサーボモーターを付ける角度だった。2つあるうち、片方の向きを逆さまにしてボディに接着すると、理想的な動きに。口を開けてから閉めるまでの時間は、3秒に設定した。

息子が作った「ワニの口を開閉する」プログラム
スムーズに口が開くか、何回もテスト

続いて、ワニの口にコインを入れる時の通り道と、コインを収納する箱を取り付けた。コインの通り道は、ワニの上アゴにスロープ型で接着。コインが箱までスムーズに入るよう、ピンク色の舌をイメージして、滑りが良くなるようにセロハンテープを貼った。

ワニの口を貯金箱仕様に改良

その後、胴体・しっぽのパーツをダンボールで作り、仕上げのプログラミングへ。コインを投入した後、ブザー音がなり、ワニの両目が光るようにした。

ブザーとLEDライトの点灯をプログラムに追加

工作とプログラミングを合わせて2日間の作業。初めての作品が完成した。

「embot大展覧会」に参加! 制作者としてプレゼンする初体験に母も感動

今回作品を作ったのが8月14日、その時筆者の頭によぎったのは、5日後の8月19日に東京・お台場で開催されたコンテスト「embot大展覧会」だった。ちょうど息子のembot熱が高まっているベストなタイミングでの参加申込が叶い、28人集まった制作者の1人としてイベントに参加してきた。

お台場で開催された、コンテスト型イベント「embot大展覧会」

embot大展覧会は子供たちが自ら展示スペースを作り、自分の作品を参加者に対面でプレゼンするコンテスト型のイベント。最優秀賞のほか、アイデア・テクニック・デザインという3つの部門を用意し、参加者が会場で気に入った作品に投票して賞が決定する。また、広島工業大学 教授/宮城教育大学 名誉教授 安藤明伸氏、小学館「小学一年生」「小学8年生」編集長 齋藤 慎氏、株式会社NTTドコモ 笹原優子氏、株式会社タカラトミー 土肥雅浩氏が選ぶ各審査員賞も用意されていた。

当日会場入りすると、ダンボールで作られた可愛い作品プレートと、「制作者」のネックストラップが。

主役は制作者である子供たち

会場となったdocomo R&D OPEN LAB ODAIBAは、レインボーブリッジなどお台場を一望できる絶景スポット。会場には「ぜっけいエリア」「わいわいエリア」「モニターエリア」など計6種のエリアがあり、自分の作品をどこに展示したいのか、申込時に選択するスタイル。

クッションでくつろげる休憩スポットも
ぜっけいエリアの片隅には、embotの歴史を振り返る展示が

今回息子は、エリアの中でいちばん広く、大きなモニターが目の前に置かれた「ひろびろエリア」をチョイス。早速、展示準備に取りかかる。

工夫点をまとめたボードと一緒に、作品を展示

参加して思ったのは、想像以上に小学校低学年の参加者が多かったこと。開会式の挨拶で、embotの生みの親である株式会社e-Craft 額田一利氏が「今回は誰もが気軽に参加できる会にしたかった」と語った通り、embot超初心者の息子でも気負わずに参加できるウェルカムな雰囲気がとても温かい。

小学1年生、2年生の参加者もチラホラ見かけるなか、出展された作品は高レベルなものばかり。明るさを測定できるセンサー「Sizuku Lux」を使った作品や、加速度センサーでiPadをジャイロコントローラーにしたゲーム性のある作品もあり、参加者同士が自由に手に取って遊んでいた。息子も他の参加者が作った作品で遊べたのがいちばん楽しかったようで、何度も「今日、連れて来てくれて良かったな」と呟く姿には、母としてグッと来てしまった。

最優秀賞を受賞した、ひぐちさんの「カラドキピエロ」がすごかった!

また、親子共々貴重な体験となったのは、審査員に向けたプレゼンタイムだ。大勢の審査員に囲まれて(さらにその模様がリアルタイムで会場中のモニターに中継される)、質疑応答する経験は、息子にとっては初の試み。作品や自分のこだわりを大人たちが真剣に聞いてくれる時間は、彼にとって大きな自信につながったと思う。物怖じせずに、生き生きと答える様子が、なんだか頼もしかった。

作品を審査員にプレゼンする様子

今回は初挑戦で、受賞は叶わなかったが、作品を作るだけでは得られない貴重な学びがあった。閉会式の場で額田氏は「『プログラミングが上手くなりたい』という気持ちも大事だが、『プログラミングで何がしたいのか』という楽しいワクワク感が、学びのモチベーションになる」とコメント、embotを通して子供たちの学びを後押ししたいと語る姿が印象的だった。

実際に、会場で他の参加者が作った「餌やりロボット」を見て、日頃から虫が好きで生き物の飼育に夢中な息子は大興奮。「自分もぜひ作りたい!」とワニの改良に取り組んでいる。対面で他の参加者と交流して受けた刺激を、作品づくりのモチベーションに転換する姿を目の当たりにして、学びはこうやって自然発生的に生まれるものなのだと実感させられた。

本多 恵

フリーライター/編集者。コンシューマーやゲームアプリを中心とした雑誌・WEB、育児系メディアでの執筆経験を持つ。プライベートでは2人の男子を育てるママ。幼稚園児&小学校低学年の子どもを持つ母として、親目線&ゲーマー視点で教育ICTやeスポーツの分野に取り組んでいく。