【連載】ITお父さんのバタバタ子育て日記
いつか暇になったらと言うのは幻想!「おもいでばこ」なら忙しくても家族の写真・動画を手軽に集中管理・鑑賞できる
ITお父さんのバタバタ子育て日記 第3回
2024年5月24日 07:00
写真の管理は、現代のデジタルライフにおいて日常的な課題の一つとなっている。赤ちゃんがいる家庭であればなおさらだ。スマートフォンやデジタルカメラ、GoProなど、さまざまなデバイスで撮影された写真が増えており、さらには家族や他の人が撮った子供の写真も欲しい。しかし、それらを効率的に整理し、管理することは困難。そこでお勧めなのが「おもいでばこ」(株式会社バッファロー)だ。
初代「おもいでばこ」は2011年に発売された。当初はシンプルなストレージだったが、ネットワーク機能が強化され、ストレージ容量も増加、テレビも操作できるリモコンを同梱し、アプリもリリース。どんどん進化している。
筆者も数度、古い「おもいでばこ」のレビュー記事を書いたことがあるが、実際にはGoogleフォトを中心に写真を管理してきた。その後、犬を飼ったり、子供が生まれたりして、写真を撮る枚数が激増したうえ、家庭内や遠くの実家・義実家と写真を共有する機会が増えてきた。ただでさえ忙しいのに、ゆっくりと写真を整理する時間などはない。すべての写真がGoogleフォトに積み重なっていくだけで、必要になったらスクロールしまくって探すという体たらくだった。
そこで思い出したのが「おもいでばこ」。今回は「PD-2000」シリーズの2TBモデル「PD-2000-L」をレビューしてみた。
ボタン少な目でリビングにおいても違和感のないデザイン
「おもいでばこ」は白いシンプルな本体に大容量HDDを内蔵。柔らかなデザインなので、リビングに置いておいても邪魔にならない。前面にはSDカードスロットややUSB端子を備え、デジカメやUSBメモリーから写真を取り込むことができる。背面にはテレビにつなぐHDMI端子と有線LAN端子、バックアップ機器用のUSB端子を備える。もちろん、無線LANも搭載しており、高速なWi-Fi 6をサポートする。電源ボタンは天板に配置されている。
本体のサイズは190×44×157mmで重量は747gとコンパクト。消費電力は最大36Wと小さい。また、Bluetooth/赤外線両対応のリモコンを付属する。
「おもいでばこ」をテレビにつなぎ、電源を入れると初期設定画面が開く。リモコンをペアリングし、画面の設定に従って、ネットワークの設定などを行う。画面はデジタルに詳しくない人でも操作できるようにわかりやすくデザインされており、リモコン操作も迷わず行える。セットアップが完了すると、アップデートを求められることがあるので、それも指示に従ってアップデートすれば準備完了だ。
大量の写真はPCから「おもいでばこ」にアップロード
早速写真を取り込んでみよう。せっかくなのでこれまでに撮りためた写真もまるごと「おもいでばこ」で管理してみる。これまで写真を保存していたGoogleフォトからまるっと「おもいでばこ」に移行させることはできないので、一度PCを経由してアップロードする。
「おもいでばこ」アプリをホームページからダウンロードする。アプリはWindowsやMac、iOS、Android用が公開されている。インストールしたら「おもいでばこ とりこみ・かきだしツール」を起動し、写真をドラッグ&ドロップすればいい。フォルダごとアップロードすることも可能だ。
もし、きっちりアルバムに分類しているなら、「フォルダーをアルバム化する」にチェックしておき、「おもいでばこ」でもアルバムで管理することができる。
スライドショーで写真・動画を楽しむ
他にもいろいろな方法で写真の取り込みが可能だが、まずは写真を閲覧してみよう。フォルダごと写真をアップロードしたので、アルバムが作成されている。「最近とりこんだもの」では写真が一覧表示された。
リモコンの「スライドショー」ボタンを押せば、即スライドショーが始まる。写真の切り替え効果や切り替え時間はメニューから変更できる。手軽に写真をリビングの大画面テレビで鑑賞できるのは、感動が大きい。スマートフォンの画面と比べれば雲泥の差だ。
1ボタンでスライドショーが始まるのもとても便利。これだけ簡単だと、誰でも気軽に楽しめるようになる。
アルバム画面でスライドショーボタンを押せば、アルバム内の写真が表示されるが、ホーム画面からスライドショーを開始する際は、「今日から1ヶ月前まで」「最後に撮影した日」「すべて」「お気に入り」など対象をあらかじめ設定しておく。
アップロードした写真は撮影日で整理されており、「カレンダー」から手軽に閲覧できる。「タイムライン」にすると7か月分のサムネイルを一望でき、それだけでも楽しめる。アルバムと同様、月を選択した状態で「スライドショー」ボタンを押すと、スライドショーが始まる。
スマートフォンやデジカメで撮影した写真を保存する
同じWi-Fiに接続していれば、スマートフォンアプリからも「おもいでばこ」を利用できる。写真の閲覧やスライドショーも可能だが、どうせ自宅にいるなら大画面テレビで見ればよいだろう。メインはスマートフォンで撮影した写真のアップロードとなる。
メニューから「写真を送る」をタップし、写真や動画を選択して「送信」をタップする。個別に写真を選べるだけでなく、日付ごとに選択できるのが便利。「全選択」機能も用意されている。とにかく手軽に選択できるようになっているのが流石だ。もちろん、アルバムを作成し、そこにアップロードすることもできる。
絞り込み機能も用意されており、JPEG/HEIFとPNGを切り分けることができる。つまり、カメラで撮影した写真とスクリーンショットの画像を分けて選択できるのだ。仕事でスクリーンショットを撮ることが多い筆者にはありがたい機能だ。また、iCloudに保存されている写真をダウンロードして送信するオプションも用意されているのも気配りが凄い。
アップロード後には、アップロードした写真や動画を削除するかどうか確認してくる。ストレージの空き容量が少ない場合は削除してしまおう。
SDカードからの取り込みも簡単だ。本体のSDカードスロットに装着し、右側の「とりこみ」ボタンを押すだけ。即コピーが開始され、取り込まれる。終了するとボタンが青くなるので、SDカードを取り出せる。家族誰でも扱えるこの簡単さはありがたい。
Googleフォトを家族写真のバックアップ先として利用する
思い出の写真は絶対に失うわけにはいかない。バックアップは必ずしておきたいが、複数ソースそれぞれで作業するのは流石に面倒だ。「おもいでばこ」にはバックアップ用のUSBポートが用意されており、外付けHDDを接続することでバックアップすることができる。これで故障対策にはなるだろう。
しかし、自宅という同じ場所にバックアップがあると、火災や水害などに遭遇した場合、同時にデータを失う可能性がある。やはり、クラウドにバックアップを保存しておく方が安全だ。
そこで使いたいのが「Googleフォト連携」機能。最大4つのGoogleアカウントと連携し、それぞれ10個のアップロード条件を設定できる。本来は、外出先のスマートフォンでお気に入りのアルバムを鑑賞するためのものだが、条件を指定せず、すべての写真をアップロードし、バックアップにすることも可能だ。
基本的には片っ端から「おもいでばこ」にアップロードし、その集約された写真・動画をGoogleフォトにバックアップすればいいだろう。ただし、無料で使える15GBだとすぐにいっぱいになってしまうと思うので、100GB/年額2500円や200GB/年額3800円、もしくは2TBで年額1万3000円のプランを契約する必要がある。
家族写真を手軽に管理しつつ頻繁に鑑賞するなら最高に便利
家族全員が撮った写真をそれぞれ「おもいでばこ」にアップロードしていけば、簡単に集中管理ができる。スライドショー機能は簡単に使えるうえ、見やすいので楽しめる。日々、写真をアップロードすることで、スマートフォンの容量がいっぱいになるということもない。
これまで写真をきっちり整理していた人にとってはややざっくりとした管理になるので不満が残るかもしれない。そんな人は時間を見つけて、不要な写真を削除したり、アルバムを作成していけばいい。この作業はスマートフォンアプリでできるので、風呂や寝る前の隙間時間などを活用しよう。
そして、実家に帰省する際は「おもいでばこ」を持参しよう。両親にリモコンを渡して使い方を教えれば、時間を忘れて楽しんでもらえること間違いなし。
筆者の家庭でも、子供が生まれて1年も経っていないのに、すでに生まれたころの写真や動画を見て懐かしがっている。「おもいでばこ」のおかげで大画面テレビに映せるのはとてもありがたい。これだけ簡単であれば、三日坊主にならず、今後撮るすべての写真を集約管理できることだろう。
気になる価格は4万5800円(2TB スタンダードモデル PD-2000-L/バッファロー公式ストア)。外付けHDDであれば2TBで1万円もしないので、ストレージ容量だけで見れば割高に見えるかもしれない。しかし、子供がいる家庭なのに、忙しくて写真を管理できず、そのために鑑賞することもままならない、というのは避けたいところ。この問題を解決し、クオリティ・オブ・ライフを向上できるのなら、この程度の金額は十分投資に値する。
Googleフォトに撮りためた写真を「暇になったら整理する」と言い続けているお父さんには、ぜひ「おもいでばこ」を活用することをお勧めする。