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サイバー攻撃で情報漏えい約3.8億件、教育・学習支援業は24%増 MM総研調査

「国内サイバー攻撃による情報漏えい動向調査」(2026年10月末時点)

株式会社MM総研が、Webサイトや報道により公開されたサイバー攻撃による情報漏えい事案(漏えい可能性を含む)について、2026年10月31日までの調査結果を発表(出典:株式会社MM総研、以下同じく)

株式会社MM総研は、国内の企業や団体が公表したサイバー攻撃による情報漏えいの動向を調査した「国内サイバー攻撃による情報漏えい動向調査」の結果を2026 年11月4日に発表した。

期間は、2022年1月1日から2026年10月31日までで、漏えい情報件数と漏えいした情報の項目を中心に分析。組織名・サービス名で照合し、重複を排除したうえで、初報日の月に1件と計上した。漏えい情報件数と漏えいした情報の項目は、全事案の記事本文と企業の開示資料から集計している。

同調査には、情報漏えいの可能性がある事案も含まれ、漏えい情報件数は同一人物の重複を含む数値となっている。

漏えい(可能性を含む)件数がわかる事案は、2026年10月末までで約3億7600万件と、2025年(1年間)の4953万件から約7.6倍に増加した( データ1 )。2022年の890万件から、2025年までの3年間で約5.6倍に増えているが、2026年は増え方が一段と大きくなった。

【データ1】漏えい情報件数の推移(年別、万件)

同じ期間の事案数は661件と、2025年1年間(428件)の約1.5倍で、漏えい情報件数の伸びが事案数の伸びを大きく上回り、1件あたりの規模が大型化している。

特に2026年後半に被害が拡大しており、7月以降に公表された事案が年間漏えい情報件数の約94%を占めた。10月の1カ月間だけでも約1億8500万件に達し、2025年の年間漏えい情報件数の約3.7倍となった( データ2 )。

【データ2】2026年の月別漏えい情報件数(万件)

漏えいした情報の種類では、メールアドレスや電話番号などの連絡先が多く、延べ約3億6300万件、氏名が約2億8400万件となった( データ3 )。これらの情報は、偽のメールなどで利用者をだますフィッシングや、本人になりすます行為に悪用される恐れがあるという。

さらに、パスワードやログインIDなどの認証情報の漏えいは延べ約1億6100万件に達し、2025年の514万件から約31倍に増加した。認証情報が流出すると、同じパスワードを使用している別のサービスへの不正ログインや、アカウントの乗っ取りにつながる危険性がある。

【データ3】漏えいした情報の項目別にみた件数(延べ件数、2022年・2025年・2026年)

2026年1~9月に情報漏えいの初報があった事案は468件で、前年同期の303件から54%増えた( データ4 )。同じ期間で比べると、2022年が237件、2023年が207件、2024年が271件、2025年が303件と推移しており、2023年に一時減った後、2024年から3年連続で増えた。

【データ4】サイバー攻撃による情報漏えい事案数の推移

月別にみると、2022年から2024年前半までは月20件前後から30件台で推移していたが、2024年後半以降は30~40件台の月が多くなった( データ5 )。2026年は8月に72件、9月に81件と増え、10月は193件と5年間で最も多い月となっている。

【データ5】月別事案数の推移(2022年1月~2026年10月)

業種別では、情報通信業の事案が176件と最も多く、2025年の56件から約3.1倍に増加した( データ6 )。クラウドサービスや業務システムへの不正アクセスが目立ち、他社向けのクラウドサービスや委託先のシステムが侵害された事案は58件に上っている。

教育・学習支援業は、2025年の41件から2026年10月末時点で51件へと24%増加した。MM総研によると、大学や学校では教職員や学生のアカウント乗っ取りや、フィッシング被害が目立つという。

【データ6】業種別の事案数と、2026年の情報通信業の内訳(件) ※2026年は10月31日まで

なお、漏えい(可能性を含む)の件数が100万件以上の大規模事案は、2022年が2件、2023年が5件、2024年が4件、2025年が12件と増えており、2026年は10月31日時点で45件と、過去5年で最多となった( データ7 )。

【データ7】100万件以上の大規模事案数(件) ※2026年は10月31日まで

MM総研は、被害が大型化する背景の1つとして、会員向けのAPI(システム間の接続口)に不備が1つあるだけで、データベース全体に不正アクセスされる可能性を指摘。AIの悪用で攻撃のコストやハードルが下がり、短期間に多数のWebシステムが侵害されている可能性もあるという。

MM総研が2026年7月に実施した別の調査では、AIを悪用したサイバー攻撃への対応体制を整備できている企業は13%にとどまり、83%がセキュリティ人材の不足を抱えていることがわかった。

こうした状況に対し、MM総研では、不要になった個人情報の削除やAPIのアクセス制御、システムの弱点を修正する更新プログラムの迅速な適用などを重要な対策として挙げた。特に、パスワードなどの認証情報が漏えいした場合には、利用者に速やかなパスワード変更を促すとともに、パスワード以外の方法でも本人確認を行う「多要素認証」を徹底する必要があるとしている。