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情報活用能力が「学びの基盤」に、次期学習指導要領の素案
2026年9月8日 08:30
文部科学省は、「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ(素案)」を2026年8月31日に公表した。次期学習指導要領に向けた基盤となる考え方では、①「主体的・対話的で深い学び」の実装、②多様性の包摂、③実現可能性の確保の3つが示されている。改訂の柱の一つには情報活用能力の抜本的な向上が据えられ、中学校に新教科「情報・技術科」を設けるほか、各教科などの記述にAIの進展を踏まえた内容が盛り込まれた。
情報活用能力を、すべての学びの基盤に
素案では、情報活用能力をすべての教科などの学びを支える基盤として位置付けた。現行の学習指導要領では、小学校で情報活用能力を育成する教科などの位置付けが明確でなく、中学校では技術・家庭科の技術分野の一領域、高校では主に情報科が担ってきたが、小中高を通じた育成体系が不明確だと指摘されている。
そこで次期学習指導要領では、情報活用能力を体系的に整理し、核となる教科などで育成する形に改める。小学校では「総合的な学習の時間」に「情報の領域」を付加し、中学校では現行の技術・家庭科を再編して、家庭科を独立した教科としたうえで「情報・技術科」を新設。高校の情報科も内容をさらに充実させる。これまで各教科に分散していた情報に関する学習内容は新たな教科・領域に集約され、各教科などは、情報活用能力が核となる教科などで育成されている前提で指導を行う。
授業時数については、年間の標準総授業時数を「現在以上に増やさない」方針が示されるなか、新教科・領域の分は、ほかの教科などの授業時数を一定の割合で削減する方向となっている。一方で、新教科・新領域は教師に新たな専門性を求めるもので、地域によっては担当教員が不足しているという課題がある。素案では、国が学校現場に対応を委ねるのではなく条件整備を責任を持って進めるとして、研修の充実、指導体制の確立、免許状所有状況の改善を3本柱とする「指導体制改善プラン」を示した。
多様性の包摂と「調整授業時数制度」
多様な児童生徒や学校、地域の実態に応じた教育課程を編成できるようにする方向も示された。不登校児童生徒や、障害や認知特性のある児童生徒、外国人児童生徒などの多様性を包摂するには、現行の教育課程の仕組みや指導の在り方を維持したままでは困難だとしている。
そこで、総授業時数を維持しながら学校の裁量で教科の授業時数を増減できる「調整授業時数制度」の考え方が示された。単純に授業や学習の量を減らすのではなく、余白の時間を生み出すことを想定したものだ。
調整できるのは対象教科などそれぞれの授業時数の最大15%で、すべての対象教科などで限度まで下回った場合、小学校で最大138コマ程度、中学校で最大128コマ程度(週4コマ程度)となる。生み出した時間は、個に応じた学習過程の充実に充てる「学習枠」、教材研究や研修に充てる「研究・研修等枠」のほか、既存教科への上乗せや独自教科の新設にも活用できる。2028年度から全国で先行実施を可能とする方向で検討が進む。
このほか、不登校児童生徒や特定分野に特異な才能のある児童生徒を対象とした特別の教育課程の編成も可能とする方向が示された。
生成AI時代の「深い学び」と、評価の見直し
生成AI時代における「深い学び」については、AIを利用するとしても指示や問いは人間がするもので、AIが処理した大量の情報の正誤や妥当性を見極めるためには、一定の知識の基盤が必要としている。一方で、意味や理解を伴わない丸暗記や、知識の量だけを競うような評価のあり方は、価値が一層低下すると捉えるべきとした。
今後のスケジュール
素案は、特別部会での了承後、パブリックコメントの募集を実施する予定だ。2026年の冬に中央教育審議会が答申を行い、2026年度末に幼稚園と小・中学校、2027年度末に高校の改訂学習指導要領が告示される。全面実施は幼稚園が2028年度、小学校が2030年度、中学校が2031年度で、高校は2032年度の入学生から年次進行となる。ただし情報教育は先行実施され、小学校の「情報の領域」が2028年度、中学校の「情報・技術科」が2029年度からとなる見込みだ。
情報教育をめぐる国の施策の工程も2032年度まで示された。研修動画や学習者用教材の開発、免許法認定講習の大規模実施はいずれも2026年度中に着手し、生成AIの利活用に関するガイドラインも2026年度中に改定する。
























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