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熊本大学、特別支援教育向けAIチャットボットを公開──教員の専門性向上と業務効率化を支援
2025年9月2日 08:30
国立大学法人熊本大学は、特別支援教育に携わる教員を支援するためのAIチャットボットを開発し、Web上で無償公開したと2025年9月1日に発表した。
このAIチャットボットは、熊本大学大学院教育学研究科の本吉大介准教授らが開発したもので、特別支援教育に関する授業計画や教材研究、学習指導案の作成などを支援する機能を備えている。ライセンス提供先のYU-tech AI Solutionが運営するサイト「学校DX化でわくわくをサポート」内で利用可能だ。
特別支援教育では、子供一人ひとりの特性やニーズに応じた対応が求められるが、特別支援教育の対象となる子供の増加や教員不足により現場の負担が増大している。AIチャットボットの導入により、経験や知識の差を縮め、書類作成の負担軽減と業務効率化を実現することが狙いである。
AIチャットボットには、児童生徒の障害の特性に応じた支援方法や学習計画・指導案作成を支援する「あいちゃん」のほか、自立活動個別の指導計画をサポートする「おげんまる」、児童生徒の実態や課題を要約して適切な教科単元を選定する「実態考察くん」、「学部、教科、段階」を入力して学習指導要領の「3つの柱、目標、内容」を要約する「調べ太郎」などをラインアップ。
そのほかにも、児童生徒の課題が学習指導要領の自立活動編(6区分27項目)のどこに該当するのかを探し出す「逆引きくん」、特別支援教育学習指導要領に基づき、生徒の実態がどの学部・教科・段階に準拠するのかを分析する「逆引きくん+」などを利用可能だ。
AIチャットボットが使用できるWebサイトは、月間1万回以上アクセスされており、利用ユーザーが生成AIによる業務効率化を実感しているという。