【連載】5分で読める 親子のためのネットの常識
AIが検索をお手伝い!? 従来の検索との違いをチェックしよう!
2025年2月25日 06:30
前回は、ChatGPTのような会話型の生成AIとウェブ検索の違いについて解説し、生成AIは知らないことを調べるのには向いていないということをお伝えしました。ただし、今ではウェブ検索のサポートをするような働きをする生成AIも登場しています。今回は、検索を助ける生成AIの例を複数ご紹介しましょう。
ChatGPTの「検索」モード
生成AIがウェブ検索のサポートをする例として前回の記事で最後に紹介したのがChatGPTの「検索する」モードでした。通常の会話型の生成AIの返答と違い、ウェブ検索で得られる情報をもとに情報源のウェブサイトを明示した返答が生成されます。
引用元のウェブサイトが簡単に参照できるようになっているので、必ず各ウェブサイトに移動して情報を確認するようにしましょう。なお、前回記事執筆時はログインしなければ「検索する」モードを利用できなかったのですが、今回改めて試したところ、ログインせずとも利用できました。
Google検索の「AIによる概要」
ウェブ検索サイトのGoogle検索にも、独自の生成AIであるGeminiによる検索サポート機能が備わりつつあります。Googleアカウントでログインした状態でGoogle検索を使用すると、検索の内容によっては、「AIによる概要」という項目が出てきます。これは、Googleの生成AIがいろいろな検索結果の情報をとりまとめて見せているものです。
次の図は「イルカはどうやって呼吸するの」と検索したときの例です。一番上に「AIによる概要」が表示されています。すぐ下にある「強調スニペット」は、あるひとつのウェブサイトからの引用をトピック的に表示しているもので、「AIによる概要」とは異なります。
次の図の通り、「AIによる概要」のリンクアイコンをクリックするたびに、画面右側に引用元のウェブサイトの情報が表示されます。引用元の中には、情報源とするには信頼性が低いウェブサイトが混ざっている場合もあります。「AIによる概要」の文面だけを見て調べた気になって終わらせないように気を付けましょう。必ず参照元のウェブサイトで発信者を確認することが重要です。
現在では、日本では18歳以上のGoogleアカウントユーザーの場合、適宜「AIによる概要」が表示されます。また、Googleの「Search Labs」というAIの試験運用に参加してこの機能をオンにしていると、より高い頻度で「AIによる概要」が表示されます。
Microsoft Bingの「ディープ検索」
マイクロソフトの検索サイト、Microsoft BingにもAIを使った検索機能があります。検索の内容によっては、マイクロソフトの生成AIであるCopilotによる情報が上部に表示されます。どこから引用しているのかが示されているので、情報源のウェブサイトをたどることができます。信用できるかどうかは引用元のウェブサイトを見て確認しましょう。
さらに画面上部にある[ディープ検索]ボタンをクリックすると、検索する言葉の意図をより深くくみ取った上で回答が表示されます。これも、引用元が示されているのでリンクをたどって引用元のウェブサイトを確認しましょう。
今後も変化し続けるウェブ検索の姿
以上のように、ウェブ検索に機能として生成AIが組み合わせられることがだんだん当たり前になってきています。ChatGPTを作っているOpenAIも、検索サイトを運営しているGoogleやマイクロソフトも、それぞれ試している真っ最中で日々状況が変わっています。ウェブ検索の姿は今後も変わり続けるでしょう。
ここで注意して欲しいのは、いずれも「生成AIによる答え」ではなく「生成AIによる検索のサポート機能」だということです。生成AIによる検索サポート機能は、参照元のウェブサイトの信頼性を保証しているわけではありません。参照元になっているウェブサイトには、情報源としての信頼性には疑問を感じるものが含まれていることもあります。ですから、生成AIの検索サポート機能を利用する際も、必ず引用元のウェブサイトに移動して、発信者を確認して情報への信頼度を判断するようにしましょう。情報に接するときは、発信者を確認するという原則を常に思い出してください。