【連載】5分で読める 親子のためのネットの常識
「ネットで検索する」というけれど……?インターネットとかウェブってなに?
2024年9月24日 06:30
生活になくてはならないインターネット。スマホを使ってネット検索をするのは日常になりましたが、「ウェブ」や「ブラウザー」という言葉を聞いても、実はそれがなんなのかよくわからないという方もいるのではないでしょうか。連載の初回はインターネットやウェブサイトって何なのか? というお話です。
「インターネット=ウェブ」ではない
インターネットというのは、世界中のコンピューターがつながりあって通信ができるネットワークのことです。そのインターネット上で、文字や画像、音、動画などを使った情報を公開できるのが、World Wide Web(ワールド ワイド ウェブ/略してウェブ)という仕組みで、そこで公開されているのがウェブページです。
家庭でも仕事でも学校でも、私たちは「ネットで検索する」と言って、スマートフォンやパソコンやタブレットでいろいろな情報を見ていますが、その時見ているものは、どれもウェブページです。ホームページと呼んだり、複数のページでできている全体をまとめてウェブサイトと呼んだり、ただサイトと呼んだりすることもあります。
じゃあインターネット=ウェブかというとそうではなく、インターネットのネットワーク上では電子メールなど他の仕組みも動いています。
ウェブページはどこにある?
ウェブページのデータは、インターネット上のウェブサーバーというコンピューターに保存されています。ウェブページにはURLと呼ばれる住所のようなものがついていて、そのURLを指定すれば、どこのサーバーのどのファイルかということを見つけられる仕組みになっています。
例えばこの記事のURLは、「https://edu.watch.impress.co.jp/docs/serial/oyako_net/1611165.html」です。このようなURLが世界中のウェブページについていて、全て違います。ちなみにこの「こどもとIT」の中にある記事のURLは全て「https://edu.watch.impress.co.jp/」で始まっているのですが、「edu.watch.impress.co.jp」の部分をドメイン名といって、どのような発信者なのかを知る手がかりになります。
ウェブページには他のページへ移動するためのリンクが設定できて、ページ間を次々に移動して情報を見られるように作られています。
例えば一つの会社のウェブサイトはたくさんのウェブページがリンクしあってできていますし、そこからリンクしている別の会社のウェブページに移動することもできます。世界中でそうしてつながりあっている様子が蜘蛛の巣のようなのでWeb(ウェブ:英語で「蜘蛛の巣」の意味)と名前がついたとも言われています。
ウェブページを見るにはウェブブラウザーが必要
私たちがウェブページを見るときには、必ず「ウェブブラウザー」というアプリを使っています。代表的なウェブブラウザーは次の図の通りで、いずれも各社から無料で提供されています。
ウェブブラウザーで見たいウェブページのURLを指定してリクエストを送ると、インターネット上の該当するウェブサーバーからウェブページを構成するデータが送信されます。ウェブブラウザーは、受け取ったデータでウェブページを表示します。ちなみに、ウェブページを見ることを、「アクセスする」と言うのは、こんなふうにURLが示すサーバーに接続しに行くからです。
なお、URLを入力するのではなく、資料の文中のリンクをクリックしたり、二次元バーコードを読み取ったりしてウェブページを見ることがあると思いますが、リンクにも二次元バーコードにもアクセスさせたいURLがあらかじめ設定されています。クリックしたり読み取ったりしたときに、ブラウザーが起動してそのURLをリクエストしているのです。
ウェブブラウザーはインターネット上のウェブの世界への入り口で、これのおかげでウェブページが見られるのですが、その割にはあまり存在が認識されていなくてちょっと日陰の存在です。おそらく、機器の購入時に最初からインストールされていたウェブブラウザーを使っている人が多いのではないかと思いますが、どれでも自分の好みのウェブブラウザーをインストールして使えるんだということをぜひ知っておいてください。
誰でも同じように情報発信ができる!
インターネットの通信網も、その上で動くウェブの仕組みも、どこかの会社が力を持って一元的に管理しているわけではありません。ウェブサイトを作って公開するときにどこかの許可を得たりする必要はなく、いきなり全世界の誰でも見られる場所に自分発の情報を大公開できてしまうのです。
これがもし紙の本だったら、出版社を通して編集やデザインが行われ、印刷製本されて書店が取り扱ってくれなければ、誰かに届くことはありません。ウェブでは、大企業でも国の機関でも個人でも関係なく同列に情報を出すことができるのは、実はものすごいことなのです。
今では、ウェブ制作のための専門知識がなくても、簡単な操作でウェブページを作って公開できるアプリやサービスがたくさんあります。誰もが全世界へ向けた情報の発信者になれますから、皆さんもチャンスがあればぜひ挑戦してみてください。
次回は意外と知らない検索サイトのことを詳しく紹介します。