【連載】どれ使う?プログラミング教育ツール
プログラミングの基本をScratchでおさらいしよう(変数編②)
変数を使ってみよう!数をカウントするには?
2022年10月4日 06:45
これまでの数回で、「順次」「分岐」「反復」のプログラミングの3つの基本構造と、「変数」について、子ども向けプラグラミング環境のScratchを使って解説してきました。今回は、変数の続編として、回数を数える仕組みを作ってみましょう。
「変数」とは?
変数というのは、前回ご紹介した通り、プログラムで使う「値をいれておける入れ物」のことです。文字列や数字などを入れておくことができます。
前回は変数に文字列を入れて、変数が修正に便利で効率のよいプログラムを作るのに便利なことを紹介しましたが、今回は数字を入れて、変数に入れる値をどんどん変えられる利点を見ていきます。
変数を作る
早速、Scratchで、回数を数えるプログラムを作りましょう。キャラクターをクリックした回数をカウントして、画面上に表示するプログラムを作ります。
Scratchで新しいプロジェクトを作ったら、ネコのキャラクターを選んだ状態でプログラムを作成します。[変数]メニューから[変数を作る]ボタンで新しい変数を作ります。回数を管理するので「count」という名前にします。
ネコをクリックした回数をカウントする
作成した変数「count」を使って、ネコをクリックした回数を数えるプログラムを作成します。プログラムは、次の図の通りです。
プログラム部分を拡大して詳しく説明します。
ネコのスプライトが押されたときに、変数「count」に、変数「count」に1を足した値を入れるというしくみは、慣れるまではちょっとわかりづらいところです。図で見てみましょう。
クリックするたびに今の変数「count」の値に1を足すので、回数が1ずつ増えていく、というわけです。こんなふうに、今変数に格納されている値に、毎回何かを足したり引いたりして仕組みをつくっていくことは、プログラミングではとてもよくやることです。日常生活ではあまり馴染みのない発想だと思うので、よくやる手法としてぜひおさえておいてください。
10回目で0にリセット!
このままだと、ひたすらカウント数が増えていくので、10回目に0にリセットされるしくみを加えてみましょう。次の図の通り、回数が10回目になったら、変数「count」に0を入れます。
これで、ネコをクリックし続けると、10回目で回数表示が0になるプログラムができました。
このままだと、見た目が楽しくないので、クリックするたびにネコが大きくなって10回目で元の大きさに戻るプログラムを、次の図の通り加えてみましょう。
ネコをクリックするとどんどん大きくなって、10回目で元の大きさに戻るので、メリハリができました。ネコが大きくなると同時に「ニャー」と鳴く音の効果も入れてあります。他にもいろいろな演出ができますから、みなさんも工夫して楽しい作品にしてみてください。
なお、今回仕組みがわかりやすいように、["変数名" を "変数名 + 1" にする]とプログラムしましたが、Scratchには["変数名” を "1" ずつ変える]という便利なブロックがあり、同じ役割をします。手軽に同じプログラムが作れますので試してみてください。
変数の便利なところは、プログラムの実行中にどんどん値を入れ替えていけること。変数「count」の値を画面上に表示させておくだけで、現在の回数を見せることができました。同じようにして、ゲームの点数を管理するのにも使えますね。アイテムを取ったら1を足す……と得点はもちろん、敵にぶつかったら1を引く……とすれば減点することができます。
前回と今回の記事で変数の役割をおさえておくと、最初の自信になるはず。見本のプログラムに変数があっても、ドキドキせずに読み解くことができるようになると思います。とにかく、まずは簡単なプログラムからでいいので、どんどん真似をして作ってみて、どんどん慣れていきましょう。